マツモトゥオ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
いちばんうしろの大魔王
西暦30世紀の世界。魔法が当然のように存在するこの世界で、100年前に勃発した人類と魔王の大戦争は多くの犠牲を払いながらも人類の勝利で終結し、大きく傷付いた文明の傷も癒えようとしていた。
そんな折、1人の魔女が生後間もない乳飲み子を抱えてある街に降り立ち、コ=ロ神教会の前へその新生児を置いて姿を消した。
10年後、教会に引き取られたその子供は「紗伊阿九斗」という名を与えられて孤児院で育てられるが、常に平等と博愛を説き「聖人君子」を地で行く阿九斗の姿は周囲の人々を畏怖かつ困惑させた。しかし、当の阿九斗本人は他人に迷惑をかけないよう慎ましく生きたいと考え、やがて養子縁組の話がもたらされる。
ところが、阿九斗が孤児院を出る日に入れ替わりで孤児院へ預けられることになった少女が、寂しさからどうしても泣き止まずに周囲の大人たちを困らせている様子を見た阿九斗は、咄嗟に生活費として手渡されていた資金で高価な宝石の付いた髪飾りを買い、少女にそれをプレゼントしてしまう。阿九斗は少女に、「その髪飾りを大事にし続けていればきっとまた会えるはずだ」と告げ、孤児院を後にした。
5年後、阿九斗はコンスタン魔術学院高等部への編入試験に合格し、養父の元を離れることになった。魔法学院へ向かう途中のバスで、阿九斗はスハラ神への信仰と義理人情を重んじる在校生・服部絢子と友情の誓いを立てるが、その後に受けた健康診断の職業適性審査で、全く予想していなかったことを告げられてしまう。
「編入番号021番・紗伊阿九斗。将来の職業、魔王」
どうして職業適性が世界に破壊と絶望をもたらす存在である魔王とされたのか、阿九斗には全く心当たりが無かったが、噂はたちどころに学院内へ広まってしまう。学院では阿九斗が直接犯罪行為に手を染めない限りは普通の生徒と同様に扱うとの決定が下されるが、その日のホームルームで学級委員の座を巡って絢子と口論になってしまい、自身も今まで気付かなかった膨大な魔力の制御に失敗。大爆発を引き起こし、教室を全壊させてしまう。
その日から、学院を卒業するまで続く阿九斗の「魔王になる運命を克服する試練」が始まるのであった。