bk958 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「俺がリンを育てているのか、俺がリンに育てられているのか。」
三十歳の独身サラリーマン、河地大吉は祖父の葬儀で久しぶりに実家に帰ることになる。そこで祖父の隠し子の六歳の少女鹿賀りんと出会い、施設に入れようとする親族に反発し、彼女を引き取ることに・・・。ハートフルな子育て奮闘記。
原作がかなり好きなので避けてた感じだったのですが、観てみれば、原作に負けない素晴らしい作品でした。
子供とは無縁だった大吉と一緒にハラハラし、リンとの日常に溢れる小さな幸せの連続に思わず口元がほころんでしまう。まだ、子育ても結婚もしていない自分にとって、大吉はとても感情移入しやすいキャラでした。りんと一緒に成長していく大吉をみて、親もまた、子供と一緒に生まれるんだなぁとしみじみと思いました。
また、日常のりんや子供の描写がとても細かく丁寧で、"こんなことやったわ"と懐かしく思ったり"女の子ってこうなんだな"と新鮮だったりと毎話楽しめました。
"犠牲"というワードが頻繁に出てくるんですが、少子化の今の世の中にとても重く感じられる言葉でした。願わくは、大吉が、コウキのママが、また自分の親がそうであったように、温かい気持ちを持って、前向きに子育てをしたいと心から思った。そうすることで自分の子供もまた同じように育児に取り組めると思いますしね。
やはり、うさぎドロップを観ると結婚、出産に憧れてしまいます。少子化と言われる今の時代に是非、流行って欲しいです。
子育てで犠牲になる部分は確かにあるけれど、それ以上に素敵な時間も得られる。大吉達を観てるとそう感じずにはいられません。全体を通して、特に山場らしい所もないのだけれど、心にしみるストーリーでした。
作画は水彩画タッチの淡い色づかいで、シンプルな原作の絵とはまた違った印象ですが、やわらかい雰囲気が良く出てましたし、崩れることもなく良かったのではないかと。
声優さんも主役二人は知らなかったんですが、とてもよかったですね。というか大吉役の土田さん元カクレンジャーwwずいぶん渋い声になりましたね。リンを含め子役は実年齢の近い子を起用していて、リアリティも演技も申し分なかったです。
本当に心温まる作品で幅広い方にお勧めできる作品です。
ちなみに原作では高校生になったりんの話が続きます。テーマ的にも思春期の恋愛だったり、母親の存在だったりにシフトして、まあ賛否両論なラストに向かうので想像とは違う感じかもしれないです。