ふりーだむ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
セピア色で描かれた美しく、そして難しい物語。
空から落ちるひとりの少女。一羽のカラスが彼女を助けようとするも、落ちていく少女。
たどり着いたのは古き町並みの「壁」に囲まれた「グリの街」。その中にある「オールドホーム」と呼ばれる、灰色の羽を持つ人たちが集まり共同生活を送る場所。そのひと部屋の中の大きな「繭」の中で目覚めた少女。繭を破り踏み出した世界で、繭の中で見た空から落下する夢から「ラッカ」と名付けられた少女が、この世界で「灰羽」として生きる意味を探しながら、仲間と共に悩み、苦しみながら過ごす日々を描いています。
1回見て、物語に引き込まれながらも、内容を書く事ができず、中途半端なレビューになってしまったので、今回ようやく見返して、レビューの書き直しに踏み切りました。(書き直しても対した内容ではないですが^^;)
序盤に描かれるこの世界の概要や、灰羽の紹介など、ある程度説明してくれているので、見やすい作品であるとは思います。
灰色の羽を背中に持つ「灰羽」と呼ばれる人々は、繭の中で見た夢の内容の名前を持ち、「灰羽連盟」と呼ばれる組織に属し、街で普通の人々ともに働きながら共同生活を送っている。お金をもらわず、「灰羽連盟」より支給される「灰羽手帳」で買い物をしている。
ラッカの住む「オールドホーム」には、リーダー的な存在のレキ、ネムの他にクウ、カナ、ヒカリと数人の子供達と一緒に生活を送っている。
考えてしまうと、とても難しい作品ですね。灰羽の存在とか、罪憑きとか、旅立ちとか。
新しく灰羽として「生まれた」ラッカは、その意味を探し、悩み苦しんでいく。その姿がよく描かれていました。
クウとの突然の別れも悲しかったですが、その後のラッカの苦しみ具合が痛いほどでした。そしてそれを優しく見守るレキの姿が良かった。
最後の数話、レキをめぐる物語。罪憑きとして苦しんだ日々、クラモリに救われながらも、旅立ちの来ない日々を送り、救いを求め、救われるためにラッカに優しく接し、そして近づく「終わり」の時。諦めていたレキを必死に救おうとするラッカ。ラストのこのシーンは感動でしたね。全体的に見入ってしまう物語でしたが、このラストはさらに見入ってしまいました。
この物語についていろいろ考えましたが、いい表現が見つかりませんでした。でも印象に残る良い物語だったと思います。
セピア色で描かれ、どこか懐かしさ漂う町並み、そして優しき人々。風景も綺麗だし、作中に流れる音楽もとても良かったと思います。
もっと、何度も見ていろいろ考えることができれば、何度でも楽しめる作品だと思います。私もまた見て楽しみたいと思います。