ツキ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ヨスガる
辛口?なレビューになってしまいますが割と好きな作品です。
作品の雰囲気やキャラも含め最期まで視聴すれば単なるエロアニメではないのは一目瞭然なんですが、やはりどうしても目立ってしまったエロ描写。
毎週のようなセク•ス、おしげもなく乳首解放にオナシーンまで解禁とやりたい放題です。
作品を見れば分かるように原作はエロゲ。
難しいですよね、エロゲなら18禁要素はあって当然なんでそこに気を取られるということはないんですが、いかんせんそれをアニメでやろうとするとどうしてもエロの印象が強くなってしまいます。
ストーリー進行もオムニバス形式で各ヒロインを攻略するといったゲームに近いつくりなんですが、個人的には本作においてはこのやり口が最大のミスだったんじゃないかなと思っています。
エロゲってやってみると分かりますが結構長いですよね。
その中でじっくりとキャラの心理描写などを描いて各ルートを攻略していくと世界観やら物語の全体像なんかが見えてくるんですけど、それをアニメで、しかも1クール作品で描こうと思うと必然的に尺が足りなくなります。
にもかかわらず原作の雰囲気を再現しているようなので世界観が描ききれていません。確かにヒロイン達の心理描写はしっかり描いているので感情移入はしやすいし基本的に重い雰囲気で展開されるストーリーも真摯な恋愛の様子を表してたのですが、やはりどこか薄い。薄いというか、キャラを掘り下げれば掘り下げるほど作品のテーマ性のようなものが見えてきそうなのに尺の問題からか不完全燃焼なまま終わるといった印象でした。更に、それらを誤魔化すかのように最後の落としどころがセクースなんで結局印象としては全部そっちにもってかれちゃいます
そして妹である穹ルート。このキャラは最も重要なポジションで他のヒロインと比べても丁寧につくろうという気概は感じたのですが、やはり尺の問題がまとわりつき早足な印象。しかもキャラの性格や主人公との関係性も相まって最初から最後までエロ、エロ、エロ。今までのイメージを覆すどころかそのイメージを強固なものにさせちゃいました。
穹ですら印象を聞かれたら玄関でワッショイ!ってなっちゃいますもんね、このキャラに関しては完全にアニメ向きではありません。
全体を通してやはり純粋な恋愛を肉体的な描写で表現するのは難しいんだろうなぁと思ってしまいました
そして衝撃のラスト。良くも悪くもこの終わり方のせいで穹以外のキャラを描いた必要性が全くなくなったように思いました。
視聴者の思考は「あの終わり方はどういうことなのか?」に的を絞られるので、これまで描いてきたヒロイン達は完全にサービスカット扱い。これなら彼女達はモブキャラに徹底させてあくまでモブとして魅力的に描いて、穹の次に重要と思われるメガネっ娘で冒頭2~3話、あとは穹一本で描いた方が世界観が見えてきたような気がします。そうすればワッフルすんのも穹だけになるので純愛な様子も伝わりやすかったはず。
エロいの見てぇ!という方はもちろん真面目な恋愛ものを見たいという方にも一応おすすめできるので守備範囲は広く商業的にはこれで良いのかもしれません。なによりじっくりこの世界観を味わいたいとも思えるので原作PRアニメとしては最高峰。
倫理的に一応R-15以上としてオススメしときます