ワタ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ありのままの君でいて、いいんだよ
ノイタミナ。全11話。原作は未読です。
「女の子になりたい男の子」と「男の子になりたい女の子」の話。
抵抗を感じる方もいるかと思いますが、性同一性障害という言葉は使われません。
言葉によって決まった形に受け取られてしまうことを防ぐという、原作者の意向によるものです。
また、実際この問題について必要以上に深刻に掘り下げることはなく、
思春期を迎えた少年少女達の"繊細な心の機敏"の描写がメインとなっています。
思いのほか、幅広い層に受け入れられる作品だと感じました。
原作の小学生編をばっさりカットして、アニメは中学生編からのスタートなので
原作未読だと少々とっつきづらいのが難点(実際私もリアルタイム視聴時に1話で断念)。
キャラやその関係性を把握できるようになれば、世界観にグイグイ引きこまれます。
水彩画の色調で描かれた作画、特徴的なキャラデザ、ピアノを基調としたBGM。
どの要素も作風と絶妙に絡み合い、穏やかで淡い雰囲気がよく出ていました。
現実を、変化を、痛みを受け入れること。ありのままでいること。
様々な経験を通じて、各キャラが成長していく様を描いたラストは秀逸でした。
特に二鳥くんと千葉さんのやり取りが素晴らしかったです。作中屈指の名シーン。
千葉さんの切ない表情が、あのセリフが、もうどうしようもなく泣けてきます。
てか、もうね、千葉さんが可愛すぎて生きるのがつらい。いや、生きていきづらい。
というわけで、千葉さん視点のスピンオフが見たいです。