「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(TVアニメ動画)」

総合得点
91.2
感想・評価
14882
棚に入れた
49325
ランキング
39
ネタバレ

じょー さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

こらえ切れない嗚咽

最終話を終わって、少し冷静になれたので、レビュー見直します。個人的な評価では、史上最高の名作としか言いようがありません。時々あれ作画が、と思うこともありますし、ストーリーの展開について批判があったりもします。でも、それらを上回る全てにおいて素晴らしい作品です。とにかく一人でも多くの人にこの作品を見て頂きたいと思います。もし見ていない人がいるのなら、本当に視聴を勧めたい作品に出会えたのを嬉しく思います。

とにかく泣けます。1話、2話、5話、8話、10話、最終話と半分以上で、泣きが入りました。8話、最終話などはとても人様に見せられる顔ではなかったと思いますし、また涙が出すぎて呼吸が変になりました。最終話を見た翌日の朝、三次元嫁に目が腫れてるのをみとがめられ、「別れ話でもしてきたの」と突っ込まれました。どうやら毎週木曜の夜のごそごそしてるので、浮気を怪しまれていたそうです。さらに、最終話の日にあまりに泣きすぎて、目が腫れたのはもちろんですが、ティッシュで目を拭いてたのが悪かったらしく。結膜炎になってしまいました。これから見る方いらっしゃいましたら、取りあえず、目のケアを十分に。特に最終話は、目薬や目を冷やすものを準備されることをお勧めします。

長井龍雪監督の初オリジナル。マリーさんのA-1への企画で始まったとか、じんたん自身を自分に重ねているそうです。スタッフはとらドラのチームが結成したという事で、視聴前から注目してはいたのですが、予想を大きく上回る出来だと思います。

概略は幼なじみ6人の個々人の幼少時そして現在のトラウマとその癒しを、それぞれの関わりにおいて、丁寧に描いていくストーリー展開。1話においていろいろな設定がなされながら、大きなドラマがあります。また4話で全てのキャラクターの抱えている問題が明らかになる大きな転換点になります。ゆきあつorz。めんまを成仏させると言う同じ目的で、だんだんと集まりつつある、5人の中で、気持ちの中に軋轢が生じてきます。

まず、特筆すべきは心理描写の巧みさです。6人のそれぞれの心の動きが、言葉だけでなく、絵を通して伝わってきます。ここらへんは、とらドラやレールガンなどでも長井さんの表現力は光っていたのですが、オリジナルということで、さらに磨きがかかっているかと。あなるが一番わかりやすいのですが、2話肘が触れあう際の表情。3話パンフレットを隠す動作、親指を握る動作、5話自分の爪を見る動作など秀逸です。電車の中、9話でのゆきあつとのやりとり、とても可愛らしいヒロインぶりでしたが、素晴らしいのは、言葉と、その動作に可愛らしさが表現されていた所でした。その他では、1話あなるを探しに行くまでのじんたんの表情、4話じんたんの手の動き、4,5話つるこの表情、6話めんま母の目線の動かし方など心の動きが無駄なくシャープに表現されています。他の表現方法ではなかなかできない、これぞアニメの素晴らしさと再認識させてくれます。

また、細かいところでは、最初に「あなる」というあだ名を設定していることにも意味があります。最終話近くなればなるほど、お互いがお互いを昔の名前で呼ぶようになり、距離が近づくのを実感できます。こういった人間の距離感をここまで上手く表現して居る作品は他にはないように思えます。

キャラクタもそれぞれに個性があり、6人それぞれに魅力がありながら、皆が心に傷を背負っている。成長しきれていない頃の心の痛い所を刺激するようなストーリーで、誰もが少しは持っているあの頃の未熟さを認識させられます。ぎこちなくもそれぞれが助け合っていく展開は、最後の最後に軋轢を解消し、エンドへと向かっていきます。最終話の境内での話あいの場面と最後のかくれんぼの場面は、特に言葉がないです。

このストーリーの回し方も、長井-田中-マリーであれば出来たことであり、マリーさんだけでは暴走し、長井さんだけでは技巧に走ることになったかと、この3人の有機的なつながりが上手く作用していたかと思います。

結局、仲間と過ごす時間が何よりも大切だという当たり前の事ができなかった、思春期のあの頃の自分を振り返り、超平和バスターズにはそれを大事にして欲しいと思います。人生で一番素晴らしい、あの二つの時期を思い出させてくれる秀作です。

OP、EDもレベルが高いです。OPはガリレオガリレイ。演出も巧みで、6人の子供と、5人の青年そして一つの花から、めんまがでてきて、タイトルへの流れは、物語の背景が分かった2話以降では、意味が深すぎてグッと来てしまいます。そして、花火の弾道が7話では意味を加えました。青い栞は、メンマの花と設定されている、忘れな草ではないか、というコメントをネットで見つけました。そう考えると、さらに深く感じます。そして、めんまが花になるシーンで終わります。

EDは、Secret Baseのカバー。2001年の作品ですので、今年が「10年後の8月」になります。1話では、この音楽のこの歌詞だけで、ボロボロになりました。2話以降のEDの演出も見事で子供の頃の3人のヒロインが、目をとじ、白い花が鮮やかに色づき、反転するシーンは言葉が出なくなります。残念ながら3人の歌唱力に差があるのが難点ですが、オリジナルよりこちらのバージョンの方が好きです。そして、多分さおりんはZONEより歌うまいと思います。

一瞬も無駄な時間がない、全てのシーンに思い込められてある作品なんて初めてです。他のアニメと比較して、これがたった30分なのかと思うくらいの濃厚な時間になります。そして、とにかく泣けます。各話OPでうるっときて、6話じんたんの演説、5話ではゆきあつの独白であったり、めんまの涙であったりと各話2、3カ所泣き所があり、8話以降は、スタートするだけで泣けてきました。EDの入りで泣きが入り、EDの色づく花でだめ押しというのが流れでした。

本当に素晴らしい作品に出会えたことがとても嬉しいです。

以下各話過去レビュー
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最終話レビュー

いや、いまの時点では、言葉に出来ません。でもなんか伝えたいです。とにかく一人でも多くの人に見てもらいたいです。お願いします。個人的には史上最高傑作です。なんて話なんだろう

正直10話は超えないだろうとか高をくくってて、声優みんな泣いたとか、さおりんハードルあげすぎじゃねとか思っていた時期がも僕にもry) うん軽く超えましたね。

最高でした、ただただ延々25分ぶっとおしで声を出して泣いてました。もともと酷く涙もろいのですが、これほど泣いたのは、CAS18話とかぐらいいしか思い出せません。その前はフランダースの犬最終回ぐらいです。反則だろというのが、何回あったか、、

とにかく心臓が止まらなくて良かったです。
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10話レビュー

すでにレビューですらない。めちゃくちゃネタバレですので、10話見てない方は見ないでください。

もう言葉になりません。泣きすぎて疲れてしまうくらいに心を揺さぶられました。交錯するそれぞれの思い。あと一週で終わるのかこれ?

冒頭のめんまのじんたん母への報告、あなる「ごめんなさい」、つるこ「痛い」、本間父「いっしょに寂しいと・・」、つるこ「めんまがいなくなったら・・」、ゆきあつ「頼みたいことがある・・”あなる”」、めんまのノート、ぽっぽ「言え」、つるこ「わかるわよ・・」、めんま「成仏しますよ」、ゆきあつの清々しい、変態っぷり。、めんま、じんたん母へ「もうちょっとまって」、ゆきあつ「絶対に止めさせない」

25分間に、平均2分に一回、計12回も泣いた。花火が上がったときは呼吸止まるかと思いました。そして、今までで最も卑怯なEDの入り。殺す気か?
感想どころか、何を書きたいのすら分からなくなるくらいの神回でした。

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第8話レビュー

神回でした。
6話、7話それぞれにスポットライトを当てるより、話の展開を優先していましたが、いよいよ、クライマックスへの布石がでてきたのではないでしょうか?

今回は、まさかの展開でした、予想出来たのはめんま母の憎しみの所まで。それ以降の展開の構築の巧みさ、描写のうまさ、そして物語自体の素晴らしさ。この最高のアニメの中でも、1話と並ぶ感動と涙の回でした。めんま母の抱える心の傷、あなるのこらえ切れないあふれる思い、じんたんを慰めるめんま、重なる母親。ゆきあつ、そして皆の心の傷、エンディングのめんま登場。一話の中に、これほどドラマを詰められるものかと。

前回で”外れ”とミスリードされた、日記の使い方も秀逸でした。
最高のアニメの最高の回でした。ネットの噂を見る限りこれ以上の展開があるらしいのですが、予想もできません。あと3回で終わるなんて、、
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投稿 : 2011/07/04
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サンキュー:

78

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