ぱるうらら さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
このシリーズにおける、物語の真の終結。
『ひぐらしのなく頃に礼』はPCゲーム原作、OVA全5巻(全5話)のミステリー・サスペンスアニメです。
この『ひぐらしのなく頃に』の第1期~第2期までの話を纏めると、古手梨花が御社様(羽入)と共に雛見沢の誰もが生きる未来を求めて約100年にも渡り昭和58年を繰り返し生きて来たが、どう足掻いたとしても自分の死や周りの人間の死という死の運命という果ての無い連鎖から逃れられずに居ました。その連鎖の一部、言わばその連鎖の一片の抜け道までを描いたのが第1期と第2期であり、おそらくそれは百年の中のほんの数ヶ月の出来事であったのかもしれません。纏めると、このシリーズの物語の根幹は梨花と羽入であったと言う事です。
そして今回、第3期においては古手梨花の生きた100年の間にパターン化してしまった雛見沢の町の人達の死、友人の死、そして親類の死、また、羽生の力で何度も蘇る事が出来てしまったが故に人の命の重み、親を敬い大切にすると言う事の大切さ、人生とは幾つもの選択肢があろうとも選べるのは一択だけであってそれが人間であると言う事を忘れてしまった
彼女に対し、羽入という神様が思い出させるため二つのシビアな選択肢を与えるという内容でした。(OVA第2話~第4話)
第2期にも負けじ劣らずなかなかシリアスで鬱な内容でしたが、それが独特の緊張感を生み出し、第1期の様な残酷なシーンは皆無であったため非常にスッキリとした締め括りだったと思います。特に、最後まで羽入が側に居た事やレナの梨花に向けた言葉が非常に印象的で心に響きました。
今作(第3期)での中心人物は古手梨花でしたが一番目立った人?はやはり羽生でしょう。この『連鎖』の表向きの原因は鷹野三四と『トウキョウ』という機関でしたが、根本的要因は羽入から始まる古手一族の代々に続く一種の縛りでした。これ等の設定を持った羽入という登場人物は今作では特に良い立ち位置に居たと思います。第2期では登場回数の割りにキャラがあまり確立していなかっただけにかなり満足でした。
OVA第5話に関しては完全にギャグパートであり観なくても特にストーリー上問題はありませんが、レナ好きの方やこれまでのシリアスな雰囲気から脱したい方には良いかもしれません。