大杉くん さんの感想・評価
4.5
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
神山監督が描いた『今の日本の閉塞感』
映画2作品まで見ないと完結しない作品ですが、神山監督が『今の日本の閉塞感』という壮大なテーマを滝沢朗という新しいヒーロー像で描いた作品でした。ただ理解するまでどうしても難解な部分がありましたが・・・
今の若者を代表とした滝沢朗が最後に日本国民に対して訴えるセリフ
”上がりを決め込んでいるおっさんたちは、今すぐ必死でためこんできたものを捨て、俺たちと一緒に新たな楽園に旅立つ決意をしてほしいのです。受け入れられなかった場合はじきに既存の価値観は失われ、あなた方が思い描いた楽園も喪失する。少しでも聞き入れてくれたら結構素敵なことが待っているはずです。”
それに対して戦後から『今の日本』を形作った『年配層の本音』がのMr.アウトサイドの言葉で語られます。
かつて我々は日本のために何かをなそうとガムシャラにやってきた
だが今になってあれは『過ち』だったと『歴史の汚点』のように言われる・・・
しかし、我々とてあの時代には右も左も分からぬ新人だった・・・
我々の築きあげたものが誤りなら・・・正解はどこにあったのか・・・
しかもようやく何事かをなしたと思った頃に・・・今度は『世界のルール』が大きく変わってしまった・・・この国が『深みを増す』前に『新しい考え』が優位性を持って台頭してきた・・・年寄りにそのことを受け入れろと言うのは酷な話だ・・・
それでもやつらに権限を委譲そ責任を負わせてみろということか
結局今まで培ってきた『日本の良さ』は『海外のルールという名の外圧』でつぶされた結果・・・年配層も望まなかった『今の歪んだ日本』になっているのではないか、それを解決するためには若年・戦後世代ともにお互いの価値観を理解しなければいけないという神山監督のメッセージかと思います。