ものぽらいざ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
考えるアニメ
このアニメほど考えさせられるアニメはない。
まず、3回は楽しめる。
1回目は普通に見てまずはハッピーエンド。でも、あれ?何だろう??ってところがいくつかある。単純に世界観がわからない。
2回目で世界観が把握でき、それぞれのつながりが見えてくる。そして、それぞれ同じ対比で描かれている関係が多くあることが見えてくる。
3回目でその対比を踏まえて、それぞれのセリフの意図が見えてくる。
OP、EDは素晴らしい。絵も曲と同じように格好良くしすぎて、アニメの内容にそぐわないところが欠点なぐらい。
作画はジブリっぽいが、これは監督がジブリ出身だからと言うのもあるだろう。最初のナキアミ登場シーンはナウシカか?と思うぐらい。
声優もヤンゴが等身大すぎてちょっと違和感があるけど、ヒルケン皇帝なんて完璧。ただ、18話のナキヤミは三瓶さんどうしたの??
考える事とはどんなことなのか。考える事をやめるとどうなるのか。それがこのアニメのテーマの一つ。
演出方法として、心中を一人語りすることがほとんどないため、それぞれの考えが非常にわかりづらいけど、それを比喩的に示しているのがザムドと言う形。
また、考えがないと言うのは魂のない状態でもあり、その他にもいろいろな比喩表現で表されている。
{netabare}
考えることでザムドになることを正とすれば、考えを放棄することで石になる。石になることを負とするならば、それの最たるものがヒルケン皇帝である。
ヒルケン皇帝が最後に名前を与えられることによって、敵対意識しかなかったものがそれ以外の感情が芽生えることになった。それは、17話と25話で同じ詩が朗読されているが同じ詩とは思えないほど感情が違っていることでもわかる。
そして、ヒルケン皇帝はアキユキの顔を持つようになるが、14話で描かれていた敵対感情しかなくなったフルイチが顔を自分でむしりとるショッキングなシーンや、15話以降で思考停止した顔なしのアキユキだったりするのと対照的だ。
また、26話で石から復活したアキユキと植物人間のままの垣巣の対比もなんとも言えない。
他にもたくさん、たくさんあるが、書ききれない。
もう一度見直して、また書きたい。
{/netabare}