みしょ さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
素晴らしい!
様々な事情から瀕死の状態にある少女たちを国の諜報機関が引き取り、義体化することで一命を取り留めさせ、洗脳を施された上で反政府組織と戦う仕事に就く物語。
反政府組織といってもそれが巨悪として描かれる壮大なストーリーになっているわけではありません。むしろ、いくつかの案件を扱うことを通して少女たちとそれぞれの担当官との関係を描く群像劇となっており、とりわけ担当官それぞれが抱える葛藤、すなわち少女たちを仕事のための道具として扱うか、一人の人間として可能な限り尊重するかの間で揺れ動く親心、師弟愛、兄弟愛のようなものの繊細な描かれ方がこの作品の見所になっていると思います。
また、ギャグやエロなどの描写もほとんどなく全体的に暗い作品ではありますが、BGMもよくマッチしていてしっとりとした雰囲気を常に保っており、夜中にゆっくり見たい作品でもあります。
子供が義体化され洗脳を受け殺人に利用されるという倫理上の問題は見過ごせません。しかし一方でそれが多くの犠牲者を出すテロを未然に防ぎ、何より彼女たちが死を先送りにした上で「生前」味わえなかった幸せを享受しうるという点で救われるものではないでしょうか。例えそれがつくられたものであっても。