Witch さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ラスト2話で作品の評価がひっくり返る!!ひと昔前の「アニオタ感」溢れる傑作
【レビューNo.174】(初回登録:2025/3/16)
ラノベ原作で2013年作品。全12話。
初見は結構昔になりますが、ABEMAでたまに一気見配信やってて、今でも流れ
てると何だかんだと観ちゃうんだよなあ。
1年位前に下書きしたまま放置してたのを年度末整理ということで。
(ストーリー)
横寺陽人は、グラウンドから水泳部の女の子を覗きたいと言う不純な動機から
陸上部に入部した2年生。
しかし熱心な陸上部員だと勘違いされ次期部長に指名されてしまう。
本当は断わりたいが、建前でやり過ごし本音を言えないでいた。
そんな自分に嫌気が差した陽人だが、ある日町外れの一本杉の丘にある「笑わ
ない猫」像の噂を耳にする。その像はお供え物を捧げることで、自分がいらな
いと思う何かをそれを必要としている他の誰かに渡してくれるという。
自らの「建前」を猫像に引き取ってもらおうと像のある一本杉の丘に向かった
陽人。そこには、思ったことがすぐに顔に出てしまうことが嫌で「本音」を引
き取ってもらおうしていた筒隠月子がいた。
2人は半信半疑で「笑わない猫」像にお祈りすると、陽人からはベルトが月子
からは、おやつの肉まんが消滅していた。(お供え物となった)
翌朝登校すると、猫像の力により「建前」が消えた陽人は欲望が全て言葉に出
るようになってしまい(エロトーク全開でw)、瞬く間に「変態王子」という
渾名が付けられ避けられるようになってしまう。
一方の月子も、本音→表情が全く消えてしまい困っていた。
「自分がいらないと思う何かをそれを必要としている他の誰かに渡してくれる」
→ 陽人の建前を引き渡された者がいる―――――
陽人は建前ばかりで喋る少女、小豆梓に出会う。彼女のしていたチョーカーが
猫像の供物として消えたベルトと似ていたことから、陽人は建前が彼女に渡さ
れたと考えそれを取り戻そうとする。
(評 価)
・謎の貧乳ヒロイン推しだがキャラデザは秀逸
主要キャラは
●横寺陽人
・主人公で2年生
・いつも女の子のことを考えていて、欲望に忠実で変態・軽薄キャラ。
●筒隠月子
・メインヒロインで貧乳w1年生(陽人のことは「先輩」と呼んでいる)
・本音を引き渡したため、無表情で無感情なしゃべり方をする。
・陽人には好意を持っているようで「先輩は変態さんですね」といいつつ
もまんざらでもない様子。意外と嫉妬深い。
●小豆梓
・ヒロインの一人で貧乳w2年生。
・陽人に対して好意を抱くようになるが、ツンデレのため素直になれない。
●筒隠つくし
・ヒロインの一人で巨乳w3年生。月子の姉。
・性格はいたって厳格であり、周りから「鋼鉄の王」という渾名で呼ばれ
恐れられている。
・陽太に対してはかわいい後輩という感じだが、陽太の咄嗟の嘘「陽太の
双子の弟」を信じ、弟には惚れているw(こんな感じで割とおバカ)
・妹月子とは当初はギクシャクしていた。
って感じで、陽人に好意を持つヒロイン2人は共に貧乳というwww
この手の作品にしては、割合珍しいパターンかと。
でもキャラデザの可愛さはホントに秀逸です。特に月子は「愛でる」という
言葉がこれ以上ふさわしいキャラはいないだろうというレベルですね。
物語前半としては、上述の通り建前を取り戻すために小豆梓に近づいて、彼
女が抱える問題に関わったり、筒隠姉妹の問題にも関わっていくという感じ
で、そこでまた各キャラ魅力的に描かれていくという流れですね。
(互いを想うがゆえのすれ違いなど心理描写が意外としっかりしてる)
・「猫神様」という特殊設定
上述人間模様に加え、本作では「猫神様」がいろいろと物語の格子となって
いきます。
●引き渡す猫
・一本杉の丘にある「笑わない猫」像
・お供え物と引き換えに願掛けをした人の不要な物をそれを必要をしてい
る他の人に引き渡す力を持っている
●引き寄せる猫
・筒隠家の土蔵に収められている巨大な猫の像
・願い主の願望を願い主の意に沿わない形(斜め上的なw)で叶えるが、
その願い事を「取り消し」することができる
「猫神様」は筒隠家に代々受け継がれてきた神様で、一時封印されていたも
のの、後半はその封印から解き放たれると様々なものに憑依しては、数々の
事件を引き起こし、陽人たちを翻弄していく展開となっていきます。
・エロ描写、過激なセリフは日常茶飯事
主人公が変態キャラなので、第1話から月子の脇腹をくすぐり倒すなど、なか
なかマニアックな描写から始まり、入浴のラッキースケベ展開等は当たり前、
ここに「猫神様」の(斜め上の)力が加わり、学校がイタリア風になり制服
はスク水で校内はスク水女子で溢れかえるなど奇天烈な描写なんかも入って
きます。
それにセリフも過激で、(自主規制w)
{netabare}「ドロドロに白濁した遺伝子液を劣情のまま浴びせようした!」
「変態のカチンコチンのドリルで体を強制アップデート」
「変態は乱暴で下手くそ脚を開けば…」{/netabare}
等「これ、今の地上波で流せるの?!」って感じですねw
上述のハーレム要素に加え、こういうエロを含むドタバタや奇天烈展開なん
かもひと昔前のラノベ感溢れる作品だなって感じですね。
・ラスト2話で明かされる衝撃の真実
まあそんな感じで、結構おバカなコメディ展開が多いですが、そんな中でも
ヒロイン達の友情や家族愛といった人との絆を挟んできたり、巧みに伏線を
散りばめながら物語は進んでいきます。
(スク水はアレだが、イタリア風にもちゃんと意味があったというw)
そして、ラスト2話でそれらの伏線が回収される時、この物語に込められた
真の意味を知ることになるのです。
ラノベの歴史を少し調べてみると、2010年代前半はハーレム時代に当たるそう
で、そういう機運の中本作も
・第6回MF文庫Jライトノベル新人賞最優秀賞を受賞
・第1巻は2010年の時点でMF文庫J史上最高の初動売上を記録
と、原作は結構鳴り物入りの作品のようです。
ハ-レム要素から始まり、変態王子や「猫神様」といったぶっ飛んだ設定に、
最後のあっと驚く伏線回収まで、この時代のラノベの躍動感を楽しんで欲しい
作品ですね。
最近ではこういう「アニオタ感」溢れる作品は希少になりましたし。
作画もひと昔前の作品とは思えない程に綺麗なんだよなあ。
OP『pFantastic future/田村ゆかり』
・「田村ゆかり×ラノベ原作」はこの時代の鉄板の組み合わせって感じですね。
ED『Baby Sweet Berry Love/ 小倉唯』
・OP/ED映像ともに素晴らしいのですが、特にED映像は本編以上に神が
かってますね。
(追 記)
実は本作も図書館に原作があったのですが、全13巻中10巻までしか置いてなく
て、ちょうどアニメ化ラスト辺りなんだよなあ。
なので以降の話がめっちゃ気になっているんですが・・・