「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション(Webアニメ)」

総合得点
72.5
感想・評価
11
棚に入れた
24
ランキング
1148
★★★★★ 4.1 (11)
物語
4.0
作画
4.2
声優
4.1
音楽
4.2
キャラ
4.1

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nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

空虚感が非常にいい。友情とリセット願望の物語でしょうか。

 この作品、劇場版を前後編2回ずつと、今回見ました。なんでこんなにこの作品に惹かれるのかがかなり不思議です。劇場版との違いは0話と最終話2話分です。ただ、改変というより少し理解しやすいようにしただけかなという気がします。


 世界観に魅了されたのは確かです。何か世界の終わりのすぐ端にいるような感覚。それでいて日常がある世界。人類はどうなるのか、門出や凰蘭はどうなるのか。登場人物はのどかな感じなんですけど、なにか緊張感があります。

 友情か世界かという世界系のような構造なんですけど、タイムリープとパラレルワールドを組み合わせて、人間と人類のIFを描いています。東京が滅びる、UFOが来ない、そして中盤の…という沢山のIF。その中で絶対なのは友情である、ということ。
 それぞれの思想、政治哲学のようなものがかなりシニカルに描かれているのもポイントかなと思います。それぞれの正義と言ってもいいかもしれません。

 そしてIFの分岐なんですけど、イソベやんで読みとれたのが「正義」です。となると、あの各都市に表れた「指」の正体。あれはリセットボタンを押す操作なんだろうな、という気がします。つまり「リセット願望」です。
 イソベやんは「道具」の意味も強いですけどね。人間にはどんな便利な道具があっても使いこなせない。何かの問いかけを感じますが、あまりそこは考えすぎない方がいいのかなあ?

 うーん、やっぱり言葉を重ねても難しいですね。視聴後感のモヤモヤというか空虚感がたまらないんですよね。それでいて、生きる意味が無いというよりは、それでも生きるんだという感覚を持ちます。その生きる意味の重要なものが友情という感じなんでしょうか。

 わかりませんけど、門出と凰蘭のキャラは素晴らしかった。この2人だからこそパラレルワールドのそれぞれの世界の2人に感情が乗せられた気がします。

 で、全18話のバージョンなんですけど、私は劇場版に入り込んだので劇場版の方が良かったと思います。0話があることで、本作の「意外性」がどこか薄まるし「余韻」が若干薄まったかなという気もします。作品の構造とか意味性は分かりやすくはなった気がしますが、それこそ蛇足でしょう。云うほどマイナスは大きくないですけど。


 この作品はとにかく作画が素晴いです。SFアニメの表現としてこれほど満足度が高い作品は珍しいです。UFOやロボットをはじめとしたデザインも良かったです。

 そして何といっても耳ですね。聴覚です。2人のメインヒロインの声優さんがとにかく素晴らしい。あのちゃんと幾田りらさんですね。この2人の声は脳みそに直接しみわたってくるんですよね。すごいと思います。
 そして、音楽も良かった。緊張感がある「デデデ」の方と「炭酸が…」の対比が良かったし、0話のEDの曲も良かったです。

 SF的な効果音も含め音響効果は、どこをとっても本当に素晴らしかったと思います。


 SF的設定やテーマの考察はもちろん試みましたが、そこが重要じゃないんだろうなと思います。「世界なんか滅びろ」という人間の心理に含まれる何かと実際に世界が滅びる意味。人の命の儚さ、家族、そして友情。そういうパーツから何かを感じられればいいのかなと思います。

 時間があいた再視聴なので、熱が冷めたかなと思ったら、やっぱり良かったです。UFOのシーンは劇場版の迫力が圧倒的にいいですけどね。しかし、この作品がそれほど話題にならないのはもったいないなあ…

 評価は劇場版にくらべて0話と最終話がどうなのか?という意味も込めて4.5にしておきます。

投稿 : 2025/03/15
閲覧 : 19
サンキュー:

5

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