アンジェラ さんの感想・評価

4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

恋愛要素ほぼなしの青春ドラマ

　過去の人間関係の失敗から人間不信になり卑屈でかなりひねくれているぼっち主人公のヒッキーが、彼を見かねた国語教師に奉仕部という名の更生施設に入れられ、同じ部員のヒロイン二人と学校内の様々な人間関係のトラブルを彼らしい卑屈で最低な方法で解決していくお話。
　ボッチで屁理屈ばかり言っている主人公だが、個人的にとても共感できるセリフもたくさんあったし、高校生活のことを思い出して浸ったり色々考えさせられたアニメ。
　ラブコメアニメとしてみてみると、ヒロイン二人は個人的にはあまりはまらなかった。（二人とも間違いなくかわいかったし声優の演技も言うことなしではあるが）（というより主人公のヒッキーの考え方や彼らしい問題解決の方法などが個人的にかなり気に入ったのでヒロイン二人にあまり着目してなかったかも）二期、三期と進むにつれてラブコメ色が強まっていくみたいなので、そっち方面も期待して続けて見ていきたい。
　今後の展開として気になるのは、ヒッキーがどのように変わって成長してヒロインと関係を築いていくのか。ヒッキーは常に人間観察をしているので他人の心情だったりにはかなり敏感なほう。当然、由比ヶ浜結衣の好意にも気付いているが、ヒッキーにはその気持ちにこたえようとする描写があまり見られなかった。また雪ノ下との関係についても、お互い原因や経緯は違えど同じボッチ同士通じ合うところはあり信頼しあっているように思えたが、恋愛的な要素は二人のやり取りからあまりくみ取れなかった。彼が恋愛に乗り気でない（恋愛に限らず人間関係そのもの）のは、中学時代の失敗からだろう。勘違いして好きになって告白して振られて笑いものにされた経験から人間不信になってしまい、例え仲良くなって好かれても裏切られてまた辛い思いはしたくない、それなら過去の失敗の戒めとして誰にも期待せず、開き直って最初から嫌われていて構わないというのが彼のスタンスなので、こんなに拗らせてしまった彼がヒロインとの今後のストーリーを通じてどのように変わっていくのか（それとも変わらないままかもしれないが笑）とても気になる。たくさんのトラブルを解決して救った人間関係もいくつもあるのに、そのやり方が基本的に彼自身が嫌われ役になって自分を犠牲にするやり方なので、今後報われてほしいなと思えるような個人的にとても魅力的な主人公だった。　
　ストーリーがとてもうまくまとまっていたし、ラブコメではありつつハーレム味がかなり薄いのでそういうのが苦手な人でも見やすいと思う。主人公がかなりクセツヨなので彼に共感できるかどうかで評価が全然変わってきそう。会話劇が中心のアニメだし作画やキャラデザもそんなに良くなかったので、このアニメの世間的な評価の高さは原作あってのものなのかなと思ったし、活字のほうがとても相性のよさそうな作品だと感じた。原作のほうも読んでみようと思う。