nyaro さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
「ナウシカ」フォロワーに成功例はないのかもしれません。
原作の作風はモロに諸星大二郎氏や宮崎駿氏の画風を感じますし、五十嵐大介氏もちょっと入っているかなと言う気がします。ちゃんと読んでませんが、お試しか立ち読みかで知ってはいました。気にはなっていたのでアニメもいつか見ようと思っていました。
で、要するにコミック版の「風の谷のナウシカ」の後継という感じです。設定や世界観も当然似ています。日本ディストピアものの一つの型ですからそれは良いと思いますが、よほどうまく料理しないと凡作に終わる可能性もあると思いました。
アニメ版の本作は原作ほど密度が高い絵ではなく、画風は見やすくて悪くない気はします。動きがない紙芝居ですけど。
で、本作の視聴後の感想ですが「ふーん」という感じです。感情や生きる意志、長命と短命などいろいろしこんではいるのですが、じゃあ、それがテーマ性に結びついていたかというと微妙です。
SFならセンスオブワンダー、頭をひねる考察厨的楽しみでいいんですけど、それも弱いです。考察厨的楽しみは作品が中途半端なので、それはあるかもしれませんが1クールだけだと弱いです。
じゃあ、エンタメかというと爽快感や逆に陰鬱な感じ、バトル、世界観などでどれも中途半端です。
ストーリーははじめは期待を持たせますが、謎を解き明かす楽しみもイマイチだし、感情というキーワードも上手く使えていません。日本の若者たちのアナロジーのような気もしますが、表層的な「いい話」感があるだけでそういう深さは感じません。というかキャラに深さを感じないので、深掘りしようがないと言った方がいいかもしれません。
こちらが意味性を付加していくような見方もできなくはないですが、それだとこの作品じゃなくてもいいじゃん、になってしまいます。
そんな感じで、コミックの導入部分が面白そうだったので、ちょっと楽しみに寝かせていた作品だけにガッカリする水準だったかなあ…
となるとやはり「ナウシカもどき」というより「劣化ナウシカ」作品、つまり「大雪海のカイナ」や「錆喰いビスコ」のような作品にカテゴライズされるかなという気がします。で、内容というか雰囲気は「さよならの朝に約束の花を飾ろう」みたいな感じかなあ。
うーん、オール3よりは悪いかな…キャラ造形もストーリーも2かなあ…作画も絵は綺麗だけど特筆するような芸術性も感じないし…3.5かなあ。