「海獣の子供(アニメ映画)」

総合得点
71.1
感想・評価
130
棚に入れた
538
ランキング
1441
★★★★☆ 3.7 (130)
物語
3.5
作画
4.3
声優
3.4
音楽
4.0
キャラ
3.5

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二足歩行したくない さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.9
物語 : 2.0 作画 : 4.0 声優 : 2.5 音楽 : 4.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

大切なことは言葉にならない

制作はSTUDIO 4℃、監督は渡辺歩氏による作品。
中学生の安海琉花は、夏休みの始めにハンドボールのクラブ活動で練習相手にラフプレーを行い、部活動の禁止処分を受けてしまう。
活動的で体を動かすことが好きだった琉花は、その出来事により、夏が終わったと感じていた。
そんな折、別居中の父の働く水族館で、水の張った水槽の中を魚類のように走り回る少年と出会った。
"海"という名前の彼は、実はジュゴンに育てられた少年で、この水族館で研究を兼ねて保護しているとのことだった。
琉花は、海との出会いをきっかけに、これから長い夏が始まるのを予感する、というストーリー。

雄大な海と魚たち、巨大なクジラの歌が教える地球に訪れる異変と、それに巻き込まれる少女の物語を描いた作品です。
"海"と、その兄である"空"は、ジュゴンと共に生きたため海の環境に順応しており、大海原を魚とともに自由に泳ぎ回ります。
彼らと出会い、一緒に過ごすことの多くなった琉花もまた、海に順応し始めるのですが、それによりやがて地球に待ち受ける異変に巻き込まれるきっかけとなります。
音楽は久石譲氏が手掛けており、その優美さは言うまでもなく、美術もすばらしくキレイで、それもただ作画がすごいというのではなく、アニメーションの表現に優れています。
主人公のアクションを追うカメラワークの躍動感や、波に飲まれた後の海中の光景、魚たちの流線が巧みに表現されており、映像に引き込まれます。
また、ストーリーは哲学的で、考えさせるようなテーマをもっています。
音楽、映像、そしてストーリーが一体になった、芸術作品と言えるアニメ作品だと思います。

ただし、それがイコールおもしろいかというとそれはまた別の話ですね。
ストーリーの序盤にはツッコミどころが多く、中盤以降はついていくのが難しくなったというのが正直な感想です。
考察サイトも多いのですが、主に原作のもののようです。
そんな難解な原作マンガ全5巻を、2時間一本の映画にまとめたためか、かなり説明不足に感じました。
いつ登場したのかもわからないキャラ(アングラードやらデデやら)が突然に現れ、中二なことをドヤ顔で語って物語が進行するような印象を受けます。
絵も、見やすいアニメから急に原作マンガの絵柄だろうか、妙にリアルな顔の描写になったりして、演出だと思うのですが入り込めなかった。
ストーリーについても、原作を読み解けばきっと楽しめるのだろうと思うのですが、映画はどうも薄い感じがしました。
薄い感じがしたのに中盤以降はついていけなくなるので、やはり本作品は、映画ではなく原作マンガを読むべきで、映画を見るとしてもマンガを読んだ後にするべきだと思います。

ただ、女の子も微妙にかわいくなく、しかも当然のように芸能人が声をあてているので、いずれにせよアニメ好きの諸氏向け作品ではないと思います(私も含めて)。
同じ監督で同じスタジオによる「漁港の肉子ちゃん」は思ったより楽しめたので、少し期待したのですが、これは、うーん。
声優に挑戦している芸能人勢同様、米津玄師の歌声がもったいない作品と私的には思いました。

投稿 : 2025/02/23
閲覧 : 11
サンキュー:

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