nyaro さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
あっさりで癖がなさすぎて、記憶も印象も薄い作品。
梅津泰臣氏作品で倉田英之氏も参加して(昔の)A1ピクチャーなのにどうしてこうなったと言うほど印象が薄いし記憶にも残らない作品です。
作画は綺麗です。とにかく画面の美しさはとてもいいです。ただ、それだけの作品だったかなという気がしなくはないです。
作品の前提となるガリレオの謎は、ありきたりと言えばありきたりな設定で、そこに工夫があるかと言われればあまりありません。その結論がガリレオである必然性がイマイチ見えてきません。つまり、作品の構造に、歴史観とか発明家ガリレオの裏の顔とか未解決のガリレオの謎とか、何か奥行があるような仕掛けがありません。実際、時代を戻ったところで「バックトウザフューチャー」のワンシーンを切りとっただけみたいな気がします。
敵役である、産業構造とか資本家とかそういう視点も「悪役」どまりで終わったかなあ。エネルギーに何か示唆があるわけでもない気がしました。
その上でテーマ性も、あまり感じられません。家族愛的なものはありますけど、平凡です。天才の孤独みたいのはありますけど、それがストーリーの幹にはなっていない気もします。家族の問題と重ねられなくはないですけど。ドラマとしては、もうちょっと次女の子のヒューマンドラマをドロドロにしてほしかったのと、あの同乗してきた女の人の結末に悲劇性があってもいいんじゃないかなとか。
それぞれのエピソード、メカとか物語の展開、家族ドラマの安っぽさが、ラノベ的と言えばラノベ的です。頭を空にして楽しむ分にはニーズがあるかもしれませんが、それでもエンタメで採点すれば70点どまりの出来かなあ。ノイタナミならではのコクのある味わいがなく、あっさりした印象です。
梅津泰臣氏ということで期待しましたが、キャラデザが違う人でいつものエロさはありません。ものすごい良く出来たキャラデザなんですけど、癖が無さすぎて記憶に残らないキャラです。
ノイタナミということで11話だったのがかえって良かったかも。作品の構造は同じで、もう2掘りくらい深みを目指したら、面白そうなのにという作品でした。作画がいいだけにもったいない気はします。