中島野球しようぜ さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
セカイ系作品の監督だけあって幻想的な雰囲気と演出は評価したい、しかしシナリオはジュブナイルもののダメなところが全面に出てて不快、おすすめ度★★☆☆☆
愛にできることはまだあるかい
「言の葉の庭」、「君の名は。」などの新海誠監督の手がけた作品。名作と絶賛されているみたいだが、個人的には正直刺さらなかった。
作画…というか映像美自体に関しては文句は無い。他の新海監督作品にも見られたように演出の仕方はかなり効果的で、全体的に逃避行ファンタジー寄りの雰囲気であることもあって刺さる演出が多く、引き込まれるように感じられた。
一方でシナリオやキャラ面はいちいち鼻につく要素が多く、とりわけ主人公たちの行動にツッコミどころが多く見られたのがマイナス。性格面でも共感しがたい部分が多く、精神的な未熟さをマイナス方面に振り切って描いてるおかげか終始うざったいだけで見てて結構鼻持ちならなかった。バックボーンもまるで薄っぺらく、どこを切り取っても主人公の後押しやヒロインを救う決意を応援する気概が持てない。
終盤の東京水没のシーンも主人公がヒロインを救った代償というか業みたいな感じで演出しているんだろうけど、本編の主人公がカスであることを考えるとてめぇ様は何をしてくれちゃってんだスギ?状態である。東京水没の大戦犯のくせに「大丈夫だ」は子供ゆえの無責任、傲慢を描いていて本当にむかっ腹が立つ。
映像表現で誤魔化されそうになるが、よくよく見るとストーリーとしては出来の悪い青春群像劇レベルで萎える。青少年の成長を描くならもう少し共感できるようなキャラ付けの方が受けると思う、演出に頼るな。