トロール夢民 さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.0
作画 : 4.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
SFを匂わせる、おねショタのソフトコア
主人公は近所のクリニックで働く女性をストーキングし、女体観察日記をつける異常な男児
本作は女体への思いと下衆な欲望を織り交ぜながら講釈を垂れる、SF作品を装ったソフトコアポルノだ
作品内には、年上の綺麗なお姉さんに構ってもらい弄ばれたいという、脂汗の浮いた中年男性が夢見がちなシチュエーションが詰め込まれている
主人公である子供の眼差しの奥には、女体を求める男の濁った目と、口臭を伴う卑猥な願望が隠れている
勘の鋭い人なら、一発で見抜けるはずだ
その様子を実直に描き出してしまえば、男性なら同族に対する嫌悪感、女性なら生理的な嫌悪感を抱く人物像が出来上がるだろう
だからこそ、主人公には子供の皮を被せ、知性のシンボルとして科学的見識をチラつかせ、愛玩対象としてのペンギンを用いた印象操作で作品がコーティングされたのだ
一皮剝けば、先走り液を滴らせた中年男の脈打つ陰茎が、デカデカとスクリーンに映し出されることになる
化けの皮が剥がれるとは、まさにこのことだ
作中には「おっぱいに魅力を感じることと、彼女を好きかどうかは別の問題だ」といったセリフがある
これはつまり、妻子がありながらエロサイトの閲覧・浮気・不倫・痴漢行為・風俗通いする男の考えを、喩えを用いて言語化しているようなものだ
作中では、子供のふりをしたオッサンがみっともなく「おっぱい、おっぱい(・)(・)」と連呼しまくっている
そうかと思えば、最後は突然冷静になって「僕は、彼女が大好きだったんだ」と、しおらしく体裁を整える
要するに「下半身と愛情は別ものだ」と、映画全体を通して結論付けていることになる
子供が観るような映画内で、精通前のガキを用いて表現する事柄ではない
私が本作について、良識ある大人が嗜むための、ソフトコアポルノ的なエロティシズムの香る作品だと捉える理由はここにある
性欲と愛情を切り離し、ピーク・エンドの法則によって乳房と純愛を印象付けるだけの、中身の無い作品だ
主役が「必ず君に会いに行く」タイプのSF作品として比較するなら、本作とインターステラーの間には雲泥の差がある