アニメアンチ2号 さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
大いなる淫婦🥇【バビロン】の御子たち
諸事情により本文は2回目の投稿となります。
1回目の時には放送リアルタイムで{netabare}胸糞{/netabare}展開の割に物語は楽しめていたと言いますか
そこまで酷評しようとは思っていませんでした。
しかしながらキャラ設定に秘められた謎みたいなものが解けて、改めてその意義
みたいなものを考えてみますと大幅減点せざるを得ないという結論に至りました。
ヴエコとイルミューイとファプタ辺りのキャラ設定の意味とそれに関連する
物語展開の箇所が大幅減点の要因であると申し上げましょう
{netabare}余程のことがない限り「ダーク展開する」作品はそれに「見合うだけの希望」
がない場合は減点対象になり得るというのが当方の評価方針であります。{/netabare}
当初は「ベルセルク」の劣化版という印象を持っていましたが、しかしながら
{netabare}ダークファンタジー系の作品にはある共通する思想みたいなものが背景にあり
そういうパクリとかオマージュとかでは済まない確固たる基盤のようなものが根本にある
ということに気がつけたのは、本作の表現によるところが大きいと痛感しています。
とは言え、そのような思想性について好意的に受け止めたり、共感できるかと言えば
むしろその真逆で、ネガティブ評価は必至であるということになります。{/netabare}
さてまず「アビスの呪い」について考えてみましょう。
「アビス」と言えば「底知れぬ穴」でありまして、そこには魑魅魍魎の類が封印されています。
{netabare}「アビス」に似たものに「タルタロス」というものがありまして
早い話が「冥界」であります。
光と闇の対比で言えば「闇」を示すものであります。
光無き「闇」故に【呪い】ありというそういう考え方が成り立ちそうです。
本作におけるアビスに何故に人が殺到するのかと言えば所謂「アーティファクト」
なるレアアイテムのお宝発掘が目当てであるという話になるかと思います。
アビスには古の秘宝、それは非常に高度な超古代文明のハイパーテクノロジーによって
作り出されたという遺物が埋まっておりますが、そういう「アーティファクト」の発見により
かつて超古代文明が存在したことが判明するのであります。
失われた古代文明その代表格とも言えるものが【アトランティス文明】でありまして
かつての【アトランティス大陸】は海の底に沈んだと言われています。
エジプトの遺跡を調査する考古学者によればエジプトの遺跡は遥か昔に浸水被害に遭った
などと証言していますが、そのような状況からノアの大洪水的なものがあったのではないか?
という憶測が成り立つわけであります。
古代ギリシアのプラトンは【アトランティス】の子孫であるという話もありますが
かつての昔に大洪水で滅んだ【アトランティス文明】の後継者がいるとしたら
それはどのような種族なのでしょうか?
「光」と「闇」が対峙するように「祝福」と【呪い】も対峙するのでしょう。
大洪水で祝福を受けたのはアベルの弟=セトの子孫ノア
逆に【呪い】を受けたのはカインの子=エノクの子孫【イニシエーター】
大洪水の伝説によりかつて【呪いの種族】が地に溢れていたことが見えてくるわけであります。
【イニシエーター】は高度な技術を習得し、様々な優れた工芸品を作り出し
そうして非常に高度な文明を作り上げたのでしょう。
しかし【呪い】を受け地上からすべて抹殺されたようでありましたが
大洪水を唯一生き残った一家、ノアの息子=ハムの子孫たちがその血統を受け継ぎ
彼らにより古の文明、古の都は「再生」するのであります。
シヌアルの地より始まったシュメール文明、その中でも最も偉大なる都の名は
【バビロン】であります。
「黄金都市」と言えば【バビロン】、【バビロン】と言えば「黄金都市」というくらいに
その都の様相はドレスアップした高貴な貴婦人の如く過度なまでに豪華絢爛な異彩を
飽く事なきまでに放つのでありました。
そうして、人々の欲望が蠢き煩悩が渦巻くこの黄金都市のことを
誠に誠に{netabare}【大いなる淫婦バビロン】{/netabare}と呼ぶのであります。
【呪術】とは古の【イニシエーター】から受け継いだ秘術であります。
「アーティファクト」とは【呪術】により生まれ、あるいは【呪術】と共にある
マジックアイテムであります。
ハムの子=クシュのその息子【ニムロデ】は人類初の(力ある)独裁者となり
自らが神の権威に届くようにと【バベルの塔】を建設するのであります。
天まで届くハイタワーを造るには高度な建築技術が必要で、それ故に
【イニシエーター】から受け継いだテクノロジーが重要な意味を持つことになります。
高度な技術はあっても「言葉の≪混乱≫」=【バベル】の呪いを受けたため
人々は各地に散らされ独裁者の野望は果たされずに終わります。
【ニムロデ】も【大淫婦バビロン】も、かつての【イニシエーター】のように
【呪い】を受けるのでありました。
【呪い】により古の【アトランティス】が海中に沈んだように
【バビロンの黄金都市】も同じ運命を辿るのが道理というものであります。
【祝福】を「ひっくり返す」と【呪い】になります。
【タロットカード】の「塔」を逆さにしてみますと「地中に沈む塔」となります。
そうして逆さになった【バベルの塔】の如く
「アビス」は地中深く聳え立つのであります。
アビスに奥底にある「黄金郷」とは【黄金都市バビロン】を表しているのでありましょう。
そうだから、「アーティファクト」=「羅針盤の針」は【闇】を指すのであります。
「闇」は【呪い】を【呪い】は「大いなる淫婦」を引き寄せるのであります。
長くなりましたが、全く腑に落ちなかったヴエコとイルミューイの設定の背後に
あったのがこういう事情であります。
幼少期には性奴隷のような境遇で性的虐待を受けてきたヴエコが、過去の苦い体験をバネに
成長するのかと思ったら、ガンジャ隊の三賢にして隊員の性処理担当を熟すという
意味がわからない設定の上に、貞操観念がまるでない未開人野蛮人のような
イルミューイとの不可解なガールズトーク。
この二人の絡みにはどういう意味があるのか謎でありましたが、要は
【大淫婦バビロン】を表現したいだけだった?ことのようであります。
「褐色の肌」を持つ娘には民族的な意味があり、
【バビロン】の種族を表していたというオチでありました。
褐色の娘ララァ・スンが娼婦だったという設定もしかり、
褐色の娘ベルセルクのキャスカが奴隷の如く売り飛ばされる事案もすべて
民族的人種的な意味合いが背景にあったようです。{/netabare}
つまり彼女らは皆、{netabare} 性的堕落のシンボル{/netabare}
「大いなる淫婦🥇【バビロン】の御子たち」だったということです。