KIMOKEI さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:今観てる
是非本作は見て欲しい
初めにすこし強い言葉使いますけど。
現状(5話まで)の本作はアニメとか映画とかドラマがほんとに好きで、とにかく本数みて面白いことを分析研究してる、そんな理屈ぽい人にしかわからない様な面白さです。そうであって理屈は分かっても、結構明確に好みが存在します。苦手な人はわかった上でも苦手なタイプの作品です。それならそれはいいのですが。
そもそもなんも考えない人にはなんの学びも楽しみもたらさずに。ただ分からない、ただ面白くない、ただ絵柄が気に入らない、ただ3Dアニメだから、ただ中国アニメだからとか思われる様な作品でしょう。
そして、そういう人の方が多いでしょう。
〜あらすじ〜
死ぬ時に後悔や無念を持った魂が「記憶をほとんど失って」たどり着く死後の世界「崆(クウ)」。
そこでは「運命のリング」という「乾(カン)」を賭けた決闘が行われており。優勝すればこの世界の記憶を失って生き返れるという。
「崆」では最初からそれぞれが生前の徳に合わせて「乾」を持っており。「乾」が増えれば増えるほど記憶が戻り。失えば失うほど記憶がなくなる。
「乾」が完全に無くなれば消滅し輪廻に還るというルールがある。
そんな世界に何も覚えてない主人公がたどり着く所から話は始まる。
〜あらすじ終了〜
言ってしまえば願い(行き返り)を賭けたバトロワの類いですかね。
Fateとか龍騎のノリをこの絵柄でやります。
最初はミスマッチでまどマギみたいなノリの作風かなと思いますが。
どうやらそう簡単では無いようで。。
乾を手に入れて記憶が戻った時のフラッシュバック回想が実写になってまして。
これはおそらく生前の世界を実写にする事で、生前の生きてた時は現実に存在したことなんだと見せようとしてます。生前の世界は現実(実写)で死後の世界はこの絵柄(アニメ)。
という対比的な演出から「死後の世界とはこういうものだ!」と見せつける。そういう強いケレン味の様なものを感じて引き込まれてしまう。
評価できるのは、奇策の類だけどとてもハマっていてこの絵柄に説得力を持たせられてるのと。そういう演出意図だよなどと作中でわざわざ説明するような野暮な事はしないこと。
多作でいえば炎炎ノ消防隊の実写おばあちゃんの様な類いの演出か。
初手からこれはかなり視聴者を裏切ってくると思うし。
逆にティザーPVみてポップな絵面と雰囲気を求めた人はこの時点(実写描写)で奇妙な現実味を感じて逆にアウトかもしれない。
キャラの会話もなかなか凄くて。
1話の前半。自分の情報を簡単にエデンに見せる主人公に対して。
イーサンが
「自分の情報を気安く他人に見せるな、特にこういう奴には。」
と忠告し、エデンが
「たいして変わらないだろう、お前と僕は」
と返す。
これは苦し紛れの類の言い草でシーンとしてもすぐ流されるようなセリフだけど。
実際の所、本当にエデンが主人公にイーサンも自分と同じくそこまで良い奴では無いよと忠告をしてあげており。
また、そのようなことをこの世界でわざわざ言えるエデンは実は悪い奴ではないという意味になる。
そういうのをわざわざを視聴者に細かく説明はしない。
それくらい読み取れ!というストロングスタイルでこれくらいの会話は道端の雑草レベルにどんどん垂れ流すから会話が生きててとてもいい。
今どきはいちいちセリフが視聴者に説明的でなんでも言い切っちゃう様なストレートなスタイルがおおくて、あくまでアニメのキャラクターが多い中ですが。この作品のセリフ回しはキャラクターがこの世界で生きてる事を感じさせようとする熱意がある。
しかし情報が足りないってこともあまりなく必要なことを必要な時に必要なだけは揃えており。そういう構築でありながら齟齬もなく本当に上手いとしか言えない。4話の一区切りはそれぞれ違和感なく必要最低限な情報をバランスよく配置されていて。答え合わせ語り部キャラクターみたいな死にキャラも出さずに良くここまでの感動を作ったと感心する。
3dアニメだけど作画クオリティも常に最高レベルで違和感は少なく。
走る主人公の一人称視点での描写を違和感なく疾走感を損なわずスピーディーに演出できていたり。
バトルアクションの描写も必殺技カットインの連続の様な熱さと独特の引き込まれるテンポがあったり。
攻撃が命中するまでの空間をグリッドで表現して、攻撃が進むのをグリッドの歪みで表現して、その歪みを察知して攻撃を回避するというような、ただの攻撃回避の描写も最高に挑戦的で斬新。楽しく新しいのにまるで昔からよくある表現手法のようにこの作品のものに出来ている。どんなシーンでも何かはだいたい動かしてて遊びのシーンを作らず隅まで無駄がなくアニメが詰まってる。本当によく作られている。
音楽のクオリティも高く場面選出がよくできていて雰囲気を盛り上げてくれる。
流石に効果音の素材知識は無いのだけど、聞く限り似た音はあっても、同じ効果音の使い回しとかはなく、違和感もない。こんな重箱の隅をつつく様な検証の餌食にされても全然欠点は無い。
翻訳の完成度は中国語が分からないのでなんとも言えないけども。日本語版を聞いてる中では違和感はなく文化的な違いによる違和感とかもほとんど感じないし。カンとクウがすこし字をイメージしにくいくらいしか無いかなという具合。
声優陣も今のところ最高レベルの布陣で下手な人なんて一人もいない。
挑戦を欠かさず。安定感もあって。欠点は無く。絵は目が幸せになるし。違和感なく自然に無駄無く必要な情報は撒いてく様なそんな濃い内容を熱く展開してくる、なかなか見ないこんなの。
久々に伝説級だと思う。
アニメって月1~2本は覇権あるし
年1〜2本はほんとに記憶に残るようなのあるし
3年に1~2本は伝説クラスになるのあるけど
1年に1~2本埋もれてく伝説級もあるんですよ。今年のそれはどう見てもこれですよ。
ここでこれみてやめませんか。中華アニメだから観ないとか。3Dアニメだから観ないとか。そういうのは。