「天久鷹央の推理カルテ(TVアニメ動画)」

総合得点
62.3
感想・評価
69
棚に入れた
215
ランキング
5038
★★★★☆ 3.1 (69)
物語
3.1
作画
3.1
声優
3.2
音楽
3.1
キャラ
3.1

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ネタバレ

Rera さんの感想・評価

★★★★☆ 3.3
物語 : 3.0 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:今観てる

医療系推理モノ

(第1話感想)
よくある天才的な主人公による推理モノだが話の展開が速くとてもテンポがいい。
第1話は推理と事件解決が同時進行していく面白い展開。
主人公は、叔父が院長を務める病院で働く「統括診断部部長」で少しいかれているが頭は切れる。
患者の病状からミステリーを解くように診断を下していく。
原作者も医者であり医療系推理モノとして面白くなりそう。
(第3話感想)
第3話は「呪いの動画」。「てんかん」という病気は発作が起こることぐらいしか知らなかったが、本当にこんなことが起こるとすると非常の怖い話。
20年くらい前だったか、暗い部屋でアニメ「ポケモン」を見ていた視聴者が、光が激しく点滅するような画面を見て発作を起こしたという事件があった。
それ以来、「部屋を明るくして見てね」というテロップが流れるようになったが、今回の話はそれを思い出すエピソードだ。
作中では、スマホ画面からの光の刺激により「てんかん発作」の発症し、あたかも自殺のような行動をとったという診断だったが、サブリミナル動画の作成者はこうなることを狙っているのか、それともたまたまなのか。何とも怖い話である。
第1話、2話もそうだったが、話の展開として突っ込みどころがなくはないが、1話に収めるという尺の関係上多少の強引さは容認されてもいいような気がする。それが気になる人にはダメだろうけど。
(第5話まで)
葦屋家の呪いの続き。事件にかかわった倉本准教授が謎の焼死。人体発火現象。炎炎ノ消防隊か。
こんなことが実際に起こるということ?
医学的に説明できるということなのだろうが、謎は次回に持ち越し。
鷹央先生事件現場を目で物色。一回見たものは忘れないらしい。
小鳥遊を狙った時限爆弾は、葦屋家の呪いから目をそらすためのフェイクなのだろう。
葦屋家のクズ長男は事件とどうかかわっているのか。
小鳥遊は空手、鴻ノ池は合気道。統括診断部は武闘派ですね。
小鳥遊君いい車の乗ってますね。さすが医者だ。
(第6話まで)
黄燐マッチが人体発火現象の原因物質だった。
マッチでタバコに火を付けていたシーンが頻繁に描かれていたのは伏線だった。
作中でも鷹央先生が説明していたが「黄リン」について調べてみた。

黄リン―白リンの中で不純物を多く含み黄色がかったものをいう。
常温では、淡黄色の蝋状の固体。
猛毒であり、摂取すると重度の肝機能障害を引き起こす。また慢性的に摂取または吸引するとリン中毒を引き起こす。
暗所では燐光を発する。
空気に触れると自然発火する。発火点は約50℃。このため水中で保存する必要がある。
燃焼の際には有毒な五酸化二リンが発生する。
硫黄と反応し発火爆発する。
ハロゲン化物と反応し、有毒ガスを発生させる。
皮膚に接触すると火傷を起こす。

と、こんな感じ。とにかく超危険物質である。
黄リンを取り扱うには危険物取扱者乙種第3類の免状が必要である。

ついでに黄燐マッチについて。
黄燐マッチは1830年にフランスで発明された。
どんなものに擦り付けても発火するため普及したが、黄燐のもつ毒性から、製造者の健康被害が社会問題化した。
特に白リン顎は死に至る職業病として恐れられた。
その後より安全な赤燐マッチが普及して黄燐マッチは禁止されていき、欧米では1906年に条約により使用禁止となった。
日本は、マッチが主要輸出品であったため、条約を批准せずその後も使用が続いたが、作中でもあったとおり1921年に製造が禁止された。

100年の時を超えて黄燐マッチが殺人に使用されたということになる。
小説とはいえ、作中人物が黄燐の毒性についてよく知っていましたね・・・。

それから危険物と言えばガソリンを撒いていたが、これは京アニ事件を思い出す。
揮発性と引火性が強いというのは、あの事件で皆が知るところとなったが、
実際にあの炎の中で生き残ることはできるのだろうか。
まあ、このあたりは演出でどうにかしてほしかったが、無理だったのかな。

(第7話感想)
今回は第1話の続き。ビタミンAの過剰摂取との診断を下された子供の母親が医療ミスだと天久鷹央を訴える。
代理ミュンヒハウゼン症候群。
子どもに病気や障害があるように見せかけ、献身的に看病することで周囲の注目を求めようとすること。
親の精神疾患のように扱われるが虐待の一つであると考えられており、母親が加害者となる場合が多いことが知られている。
子どもを病気に見せかけるために虚偽の訴えをするだけでなく、下剤や向精神薬を用いる、外傷を作る、感染させて発熱させる、窒息させるなど、病気と思われる症状を作り出す。
今回の母親は看護師としての知識を悪用し、抗てんかん薬が処方されていると知りながら、グレープフルーツジュースの飲ませ、副作用を引き起こさせた。
毒親を通り越してもはや犯罪者であり、これを放置すれば、子供の命に関わることになったかもしれない。そういう意味でこの結末はスカッとする。

(第8・9話感想)
子どもがナースステーションにある棚から薬を取り出すことは果たして可能なのか、というのは誰もが思うこと。
実際のところ、患者はドクターやナースの動きをよく把握しているかもしれない。
なのでナースステーションが手薄になる時間もわかるかもしれない。
病院の薬の管理も実際にはこの程度で厳格には行われていないのかもしれない。
かもしれないが、それをつっこむのは野暮というものだろうか。
余命いくばくもない8歳の男の子をからかったことの贖罪なのだろうが、入院を長引かせるために薬を過剰投与して副作用を起こし、心停止のことまで考えるとは思えないのだが。
彼らが命の重さというものは十分理解していたということだろうか。
すべて子どものやることということで片付けてしまえそれまでだが、納得感はない。
話は美しいし、幼い子供が病気により命を落とすというのは非常に悲しいことだ。
鷹央の本来は優しい人間性にも焦点が当てられ、実際目頭が熱くなった。
しかし、このエピソードは「もし」が多すぎる。
原作は医療ミステリー小説なので、医療知識を駆使して描かれているが、設定に凝り過ぎると面白味に欠けてくる。
フィクションでも大きな嘘は1つだけでいいというのはよく聞く話だ。嘘が多いとご都合主義になってしまう。

投稿 : 2025/03/11
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