ソークラテース さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ファン向け映画。だがそれで良い
この作品はプロジェクトセカイをプレイした人向けの作品です。「セカイ」という用語の意味も解説されず、20人いる登場人物の名前は紹介されませんが、序盤の淡々と描かれる日常描写の中からそれなりの関係性を把握することができます。ファンの視点から見れば、この作品はそれなりに満足いくものだったのではないでしょうか。プロセカのストーリーには明確な悪役が登場せず、それぞれのユニットが平行して活動していきます。その枠組みの中で、初音ミクに問題が起きてそれを救うという構成になっています。5ユニット20人のキャラクター達の描写が平等にあるのもナイスポイントです。起承転結もはっきりしており、難しいストーリーではありません。
注目したのは、ライブシーンです。安易にCGに手を出すこともせず、アップの構図でごまかしたりもせずに、真面目にライブシーンを手書きで書いていることに感動しました。特に初音ミクのライブシーンは鳥肌モノでした。助けたいという気持ちで歌っていたが「消えろ」と人々から言われ、閉じこもっていた初音ミクが、力を得て元気に歌う姿からは、カタルシス(使い方あってるかな?)を感じるだけでなく、日本のサブカルチャーの一つである「ボーカロイド」を長年牽引してきた初音ミクに崇敬の気持ちが抑えきれず、おもわず泣いてしまいました。しかし肝心の初音ミクのライブは一回しかなく、大半がプロセカキャラクターに尺を割いていたので、少々物足りない感じもしましたが、プロセカ本編でもオリジナルキャラクターに焦点を当て、当のボーカロイドは客寄せパンダのようになっている節があるので、それが変わらず逆に安心です。
評価はB(普通) 映画館には中高生が多い印象でした。