八仙花 さんの感想・評価
2.5
物語 : 1.5
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:途中で断念した
物語の展開や重要な要素が強引に進められている印象
「魔法のない世界から魔法を生み出していく」というコンセプト自体は非常に面白い。しかし、その設定を活かすための物語の組み立てがあまりに粗雑で、説得力を欠いてしまっている。
例えば、主人公が親に唐突に「精霊はいるのか? 魔法はないのか?」と尋ねる場面は、この世にない固有名詞を使った質問を相手の反応を考慮せずに投げかけるため不自然に感じられる。また、湖から出てきた謎の存在や、自分自身にも起こる不思議な現象について、「魔力だと決まったわけではない」と言いながらも、まともな検証をせずに物語が進行してしまう。このあたりの展開があまりに雑で、ご都合主義が強く見えてしまうのが残念だった。
また、主人公が現世で魔法の勉強をしていたとはいえ、単に「ファイアーボール」と叫んだだけで魔法が発動するわけがないし、母親が受けた背中の大きな傷も縫合するだけで治せてしまっているのも疑問が残る。こうしたディテールの詰めの甘さが積み重なり、物語の説得力を大きく損ねてしまっている。
全体的に、世界観や設定が最低限のレベルですら作り込まれていないため、物語の展開や重要な要素が強引に進められている印象を受ける。その結果、「魔法を作り出す」というテーマの面白さが霞んでしまい、単に雑な異世界ファンタジーとして処理されてしまっているのが惜しい。
唯一評価できる点としては、ゴブリンの描写。あの禍々しさと恐怖感はしっかりと伝わってきた。しかし、それ以外の部分があまりに粗で3話離脱。