蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
その時、歴史は動いた?
【概要】
アニメーション制作:スタジオぴえろ
1990年3月21日に放映された全1話79分間のTVアニメ。
酒見賢一による小説の『後宮小説』が原作。
監督は、玉野陽美。総監督は、鳥海永行。
【あらすじ】
朽ち果てた宮殿の廃墟があった。
そこから時代が遡り、在りし日の王朝の物語が語られる。
素乾国の皇帝が崩御し、皇太子が次の皇帝に即位するのだが、
そこで新皇帝の妃となる候補を求めて宦官が全国各地で、
若い女性を募っていた。
主人公の庶民の田舎娘の銀河は、
后となれば「三食昼寝付き」の言葉につられて応募。
素乾城の後宮で6か月の宮女教育を受けることになり、
寄宿舎で数人の宮女候補の少女たちとルームメイトになる。
宮廷では新皇帝の暗殺を企む皇太后がいたり、
現王朝のへの統治への民衆の不満が高まっていたり、
陰謀と動乱の匂いが国を覆いつつあった。
【感想】
架空の中華王朝を舞台にした宮廷劇は実は私の好みでして、
例えば、ライトノベル作家の中村颯希先生の代表作の、
『ふつつかな悪女ではございますが 雛宮蝶鼠とりかえ伝』なんか愛読書です。
このジャンルの見方の共通して少女漫画の絵柄のルッキズムが自分に染み付いてるせいか、
『鹿の王』でも思ったのですがなんでアニメではジブリ風作画にしちゃうのかな?
と思ってしまうわけです。調べてみれば『魔女の宅急便』などで、
ジブリで活躍したアニメーターの近藤勝也氏がキャラデザですから仕方なしと。
割り切って視聴してみればジブリ色の強い、
生き生きとした作画の群像劇としては良いのではないかと?
世界名作劇場シリーズの人が脚本を書いていて、
日本の古き良きアニメーションの作り方過ぎていて、
素朴なキャラの性質がありのままの中国人の姿からかけ離れていますけどね。
他作者の中華風作品で見られる貴人の風格や宮中の礼節などと比較すると、
無作法なド庶民娘が表面上も変化が薄いままには話が進むのもどうかと思うのですが、
飾らぬヒロインの物語がコンセプトなのですから仕方ないのですし、
それで展開の歯車がかっちり嚙み合ってしまうのですけどね。
キャラの名前からして中国人からかけ離れている原作は読んでないのですが、
wikiなどを読むと設定がある程度違うらしいですね。
ファミリー向け子供向けに楽しめるようにしたアレンジのために、
人気のあったジブリ風味のキャラ造形を取り入れたと。
原作には子供には見せられないアダルトなシーンが若干あるようですね。
有り体に言いますと、特にキャラの深掘りも無くて物語はサクサク進みます。
わかりやすく整理されたキャラと展開は、80分程度の尺でまとめるには正解ですね。
ただ自分には歯ごたえが足りない物語でしたね。
世の中には男と女がいて、その営みで無数の物語が紡がれていって歴史が作られるという話。
主人公・銀河と若い皇帝の話としても薄味だったかなと思うことで、
然程は点数が高くはなりませんでした。
ちなみに、声優の点数が低いのは若い皇帝役の二代目 市川 笑也さんのお芝居が棒読みなせい。
ヒロインの銀河役で当時のアイドルの佐野量子さんは比較的良かったですけどね。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。