wkr さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
タイトルなし
勢いのまま父親の立場になった主人公、その主人公が様々な親の事情を知り徐々に親になっていく。全体的に"親"のありようを多面的に描けている作品、体系としては真面目な内容ですが、それと同時に子供ののびのびと素朴な姿、それにまっすぐ向き合う主人公や周りの大人達の様子が微笑ましく、心の底から癒されました。子供側のシーンは基本的に優しい世界が広がっていて多幸的。それでも大人側の真面目な視点も丁寧に描いていて、主人公が中立の立場にいるからちょうど良くバランスが取れている。だから単なるお気楽な作品に仕上がってない、かといってお堅すぎず適度に和んで見やすい。ダイキチとコウキの掛け合いがラフで好きでした。ただ一つの問題点は、正子という存在が作中で浮いていて、主人公達との関係性がイマイチ釈然としないまま終わったことですかね。原作があるので仕方ないかもですが、優しい世界の中に一つのノイズとして大きく存在していたのが惜しかったです。
珍しく感想が長文になった作品でした。音楽☆4.0ですけど、OP曲もED曲も劇版も好きです。もう1クールくらい観たいです
原作のネタバレ喰らったので多分一週間くらい引きずります。
各話の感想
{netabare}1話
作画wikiに載ってたので視聴(以前から見てみたかったのもあるけど)
これ作画良いのかな?って思ったけど...最初のシーンでわかった。服のシワ!!服のシワを丁寧に描くアニメは間違いなく作画いい。ていうかプロダクションIGやんけ!
設定が地味に重苦しくて生っぽい。愛人が遺産だとかで出てきそう。
「子育てがどれだけ大変かわかってるの?」というのがこの作品のテーマであろうとわかる主人公のキャラ付け。誰も面倒を見たくなくて責任を押し付け合うのも生々しくて、主人公が軽く提案しただけで色々咎められてるとこ見ると、主人公は子育てしたことないからその件に関しては信頼されてなかったんだなと
葬式のシーン、同年代の子供を登場させてりんの落ち着いた、達観した様子を際立たせていて、でもこの後の泣くシーンで子供である面も強調する上手いキャラの見せ方。いささか子供らしくなくてもその子は子供で、放って置けない。勢い任せでもそんな主人公に共感できることで唐突さは生じていない、良い導入でもあった。あとりんが可愛いねぇ
2話
子育てに慣れていない主人公、それでもりんに淋しい思いをさせないために。そしてりん。前回は達観した印象が強かったけど、今回はなんだか子供らしすぎる。それでいてしっかり者の一面もあってキャラがよく立っている。そのお互いがまっすぐ向き合っている様子がとても微笑ましくて心温まる。
あと、りんの動作がいちいち可愛くて心洗われる... どこか芯が抜けているような、ふにゃふにゃしたあどけない動きがとても良い。丁寧な作画がより一層可愛さを増していてほんと素晴らしい仕事ぶりですプロダクションIGさんアニメーターさん。
3話
保育園を決めたり母親についてを調べたり、大きなストーリーラインはないにしろ、主人公がしっかりとやるべきことをやってて同時に話が動いている感じが良い。
大人がピリついてるから、子供のりんの気分がちょっと暗くなるのはリアル。大人側(親とか)の機嫌が悪いと空気感が重苦しくて無駄にストレスが溜まるのはガチだからめちゃくちゃりんに共感できる。一度あったショッキングな出来事を引きずってしまう子供の繊細さもよく描かれている。些細な描写にも意味があって秀逸。
子育てのために部署を変えさせてもらったりと、子供側だけでなく大人側の事情もしっかり描けているからこそだと思うが、作品自体に子育てに対する説得力が生まれていて、子育てをしたことない人にも大変さを伝えるということが出来ている(だって自分がそうだからw)。
主人公が親の立場を経験してから自身の親について知っていくのも、こういう作品ならではのシーンだよね。
4話
「自分の中の大事なものが変わっちまったんだな。」親としての理想像過ぎて... 変化とその過程が現在進行形でよく描けてる。主人公の土台となる描写が少なくて、主人公の変化がもたらすカタルシスがやや薄いとは思うけど、そんなんどうでもいいわ
「母親と娘って友達みたいなもんだから」→正子の手がかりを探すのはなんかすごいなw 綺麗に流れがつくられすぎているというか。今回はりんの友達の母も登場したけど、この作品は様々な親を見せるとこが良いと思う。子育てに決まりはなく、愛情こめてよく育てればいいんだみたいな感じで
作画も今回素晴らしくて、後半のりんはずっと可愛かった。きらきら星歌うシーン可愛すぎてやばすぎる。作画クオリティも素晴らしいし、なにより見ていて疲れないような神作画はほんと良い。
5話
正子は親としてのダメな例として出てきたのかな。
主人公の感じた「子供みたい」がほんとその通りで喋り方の腑抜けた感じが腹立つ(それを演じる坂本真綾さんすごいと思う)。「不思議と」で産むつもりはなくて、苗字のくだりでこいつは自分基準で物事を考えるやつなんだなって。保護者と同じ苗字の方がいいってのは個人的には納得だったけど考え方がダメすぎた。ラスト...
苗字は爺ちゃんから貰ったのを大事にしたいってのでそのままだったのは納得できる展開。ダイキチはダイキチでいい。ってセリフは家族に近い立場として認めているということかな?
その後の卒園式の場面はなぜかうるっときた。あと作画も凄い。親心を味わえる作品なんだなぁこの作品は
6話
実感する成長と家族の象徴である金木犀。あったかくて良いな
こうきくんと主人公の掛け合い好き
以前の回ほど感想書くような話ではなかったけど安定の良さでした
7話
離婚を視野に入れてる嫁の視点がよく描けてると思う。「自分と娘以外は他人」っていう排斥的な思考が妙にリアリティがあった。まあちょっと柔らかめなオチで一件落着するのがこの作品らしいかな(そうしないと旦那にヘイト溜まったまま終わっちゃうし)
喧嘩が多くなって家出。旦那が育児に協力的じゃなかったとかかな。(そのことに関してれいなが語るのが情報と同時にれいなのキャラ描写も掘り下げていて上手い)。「いつも義母さんの好み優先になっちゃうから。」このセリフでそういうことも面倒だったから家出したんだなぁって。
8話
5話ラストに出てきた彼氏っぽい奴、アシスタントだったんか(彼氏でもありそうだけど)
母であることを捨てて仕事を選んだからには、ってことで一層仕事に取り組んでる様子。せめてもの罪滅ぼしって感じ
りんちゃんが可愛くってねぇ。今回は正子が結構出てきてモヤモヤする部分はあったけど、りんちゃんが出てきた場面は空気が一気に和らいでほんと癒された
9話
うんこネタで始まるの好き。男子小学生といえばうんこだしな
主人公の職場のシーン、会話内容が色んな制度出てきてしっかり裏付けされていて丁寧。(職場変える流れも自然で、その職場にも親の立場の人が多いってのも納得できる。地味に凄い)
こう真面目に考える父親側の視点も描いているから、全体的に"親"について多面的に描けていると思う
10話
ゆかりさん!!!
家族同然として慈愛を与える姿がほんと美しくて泣いてしまった
11話
自分の時間も全部子供のための時間になってしまう。それでも自分を犠牲にしていると考えず、与え、時に与えられの関係として生きていく覚悟。それが親になるってことなのかな。ダイキチの「何にしてもだ。その笑顔が、そのまま自分の喜びになるような、そんなのも良いんじゃないかって思う」っていうセリフはその覚悟がついたともとれる。
締め方としてとてもいい一区切りだと思う。
終わってしまったなぁ。あと1クールくらい観たい。原作はかなり評判悪くて、そのまま後悔したくないので読みません。絶対に{/netabare}