101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:今観てる
【1話感想】絵柄変わり過ぎで拒絶するのはもったいない気がします
『アクエリオン』シリーズの4期目。
カートゥーン調の背景、キャラデザへの拒否反応からか、
早くも、タイトル名を検索すると、Google先生に“キャラデザ”、“ひどい”と連想されちゃう本作(苦笑)
確かに従来シリーズのイメージを大事にしたい方にとってはショッキングな絵柄変更なのでしょう。
ただ、私の場合『アクエリオン』は1期で綺麗に終わったので、続編も見どころはあるのでしょうが、1期の思い出を大事にしたいと視聴を見送り続け、
本作が、随分久しぶりの『アクエリオン』
というよりゼロ年代のロボアニメシリーズは、『エウレカセブン』や『蒼穹のファフナー』も私は綺麗に着地が決まった1期まで。
パチンコ・パチスロで延命してるメディアミックスになんて付き合ってやるもんかフーンwって感じでひねくれて視聴を止めています。
こんな頑なな私が今更、続編に興味を惹かれるには、
本作くらいガラリと作画の印象を変えるくらいじゃないと視界にも入りません。
で、視聴し始めてみると、このカートゥーン調の江の島を舞台に活躍する低頭身な中学生主人公たちという背景・デザインにも意味がある、むしろ興味深いと思えるように。
『アクエリオン』と言えば、神話の時代の前世の力や記憶を、不完全な形で引き継ぐ後世の主人公たちが、ぶつかり合いながらも、
欠けた各々を補い合う合体により、強大な敵に挑んで行く展開が物語の熱源なのですが。
本作は不完全な主人公たちの時代をカートゥーン調の2D低頭身キャラで、
神話の前世を3D高頭身で再現して使い分ける作画構成になる模様。
実際、EDアニメでは、旧シリーズ同様のリアル頭身のイケメン美女のデザインも披露されます。
絵柄の違いにより、時代の変化と、失われた神話の記憶を強調する作画方針は挑戦的ですし、
カートゥーン調の中学生たちのデザインも一見テキトーですが、
欠けた者同士が抱える葛藤など心情を表現する表情描写は上々。
初回は特に冒頭、{netabare} イチキ サヨの“葬儀”で、ツキヒロ リミヤが、サヨと一度も喋ったこともないのに、共感性の欠如を誤魔化すために涙を流す。
取り繕った涙を見たオオトリ サッコの気分を害する{/netabare} という描写が、フックとして刺さりました。
そんな欠けた者同士が早速、共闘して神話獣に立ち向かっていく。
何だ、ちゃんと『アクエリオン』してるじゃないかと私は好感しました。
カートゥーン調という如何にも創造物っぽい違和感を伴う背景美術には、主人公中学生たちが守る宇宙が、
我々の住む世界や、従来シリーズとはどう異なる宇宙なのか?考察欲を掻き立てるトリガーにもなり得る。
{netabare} 死んでるのか生きているのか分からないサヨの位置付け{/netabare} など、
伏線を思わせる要素、用語も多く、終わってみれば刺激的な初回でした。
が、BDリリース情報から、どうやら、この4期は1クール予定らしく。
この中で、この宇宙の来歴や、主人公たちの過去世から続く因果までも描くとなると、
要素を回収し切れずシナリオが空中分解しちゃう懸念も。
ただ、例え、この先ストーリーが破綻したとしても、
私は本作が江の島アニメというだけでも満足度は高いです。
江の島に設立された養成中学校。
江の島に続く橋が折りたたまれ、神話獣と戦う前線基地が出現し、ベクターマシンが発進する。
江の島サイコーじゃないですか。
多分に人を選ぶ要素の多そうなアニメではありますが、
乗り越えた先に確かに得られる物がある。
そんな予感もしますし、そうなるよう緩く期待して視聴継続していこうと思います。