たナか さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:今観てる
VIVA NON NON
勘違いギャグBL青春グラフィティ
無駄な改変というか、解釈違いというか
OP・せっかくのブルエンだがなんか微妙
ED・バカバカしさがマッチしてる
ヤングキング/チャンピオン系の本格ヤンキー漫画家だったがなぜか腐女子ウケが良かった作者。ジャンルが飽和し過ぎて胸糞グロ系へ先鋭化しつつあったヤンキー漫画において、肉体言語で語り合う正統派を貫くブロマンス要素が支持されたのか。その要素をさらに進化させつつも間口も大きく広げるなど、作者の集大成的な作品なのかも。師匠はタフの猿渡、尊敬する漫画家は井上和彦と、広義のヤンキー系としての正統後継者でありつつも、原作から漂う空気感はゴリラーマン。漫画をきちんと研究して真面目にふざける緻密な設計。
01
蘭丸の設定の根幹がボヤけてる違和感
初回を観て感じた違和感。Aパートいらなくない?Bパート同じこと繰り返してない?と思って原作チェック。原作1話の大事な設定補強描写を軒並みカット。蘭丸のキャラ付けをこれでもかと念押しして刷り込んでる導入部分なのに、アニメのAパートではただのあらすじになってしまっている。蘭丸が吸血鬼になった過程すらもカット。セリフだけで済まされてしまった数々の偉人たちとの交流と悲恋。骨子としては人間の心を捨てたはずの蘭丸が人間性を取り戻す流れになると思うのだが、可笑しさ優先でただのリヒトくん大好きマンみたいな安いBL感が強調されてしまっている。これもまた監督が仕事してる感を出すだけのクソ仕草かな。もしかしてマジでわかってない可能性もあるかも。
しかし絵作りはしっかりと原作を補強、というか原作超え。森がモリモリがきちんと盛られていてしっかりとモリモリ感が強調されている。ギャグの質もテンポで死ぬタイプではないので、作者の意図がきちんとそのまま伝わる。蘭丸のキャラクターの輪郭さえ掴み損なわなければ、嗜好が合う人には高い評価になるでしょう。今後は長寿種ゆえの歴史描写もギャグで使うので、多分そこらへんは削らずにまんまでやるしかないような。なんか無駄に初回だけ意味なくイジるアニメって多い気がする。
初回で掴み損ねた人は最前列のオス二人参戦で作品の輪郭が見えてくるはず。多分。
原作
今、漫画2巻まで無料だった。BLと謳う女性向け作品らしく、狭い範囲で複雑に矢印が交差する濃ゆい密度の構造で、キャラが増えるたびに面白さが増すタイプ。相関が単純な「蘭丸とゆかいな仲間たち」ではないので、蘭丸が不在でもきちんと面白くできる設計になっている。長寿種ゆえのドラマもありつつ、一般人のヒロインさえもが絶妙にいいキャラしてる。漫画が上手い。イマドキのサービス要素としてサブカル小ネタもちょいちょい仕込んでるが、作者がベテランのアラフォーなので元ネタが古い気も。アーカイブ世代には問題ないのかな。個人的なツボは蘭丸のTシャツがNINだったとこ。
27クラブとかの音楽ネタは好きだけど、アニメでは少しでも脳死へと寄せる配慮でカットしたのかな。絵の部分はいちいち説明しなくていいけど、セリフの部分はノイズになるって判断なのかな。知らんけど。
原作は見た範囲では信頼できる。アニメは監督次第だけど初回と経歴見るとやや不安。