たナか さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:途中で断念した
オーガニック・ポータル
MAPPAオリジナルのなろうアレンジ
古き良き異世界なろうの味変を匠の技法で調理
ED・あーボカロだなあー
01
さすがのMAPPA、作画でブン殴ってくる
開始数秒で「この品質…間違いない…」と感じさせるのはさすが。その後はババアが延々説明セリフを畳み掛けるのでやや萎え。かーらーのー唐突な転生で「ああ、こういう感じなのね」と小スッキリ。このストレスコントロールの妙技よ。
洗練先鋭し過ぎて都合のいい妄想レベルから福祉も超えてもはや介護レベルにまで達したなろう。学校で習う程度の知識で未開地無双!モテモテ!スッキリ!できていたのが、どんどん先鋭化した結果、今やもう神レベルにまでならんと満足できない。不快なストレスは微塵も許されない全体主義者のMATRIX。
原点回帰してリアルの技能で勝負。アニメ漫画イラスト界隈のクリエイターモチーフなら安心安全みんなの味方的なモラトリアムで心地いい肌触りの優しい世界。陰キャのアイコンであるウザい長髪で顔を隠し、得意の作画でフルオープン!は変身願望を叶える仮面ライダーのよう。結局はなろう的なものをクリエイターの魂!!的に上手く正当化するデコレーションが実に上手い。あからさまに萌え弱めなのも実に上手い。マーケティングゥ。売れればよかろうなのだ!
一応自身の手技を要するので今のなんでもかんでも与えられたスキルでヒャッハーするなろうとは流石にレベルが違いすぎるが、アレらに辟易してはいるもののしかしヨシヨシはして欲しいという願望には刺さるでしょう。多様性からくる程度問題で目糞鼻糞五十歩百歩。ジャンプ的血統主義はダメだが無職転生はOK的な。一緒だよ。
そして「ねえねえ!ぼく!これ知ってる!」ってな情報を楽しむやつ。しかしどうしてもファストなつまみ食い的なものにしかならないので巨神兵のもたらすカタルシスは当然ながら原典を超えてはいない。宮﨑や庵野が凄いという話でもなく超えられるはずがない。多分結局それらも求められていない。知ってるかどうかのみ。考察と呼ばれている何か。それで次は何かなーってみんなで盛り上がれるシステムは実にTV的というかライブ配信的というか。結局なにかで皆んなで一緒に盛り上がりたいってのは今も昔も陽キャも陰キャもかわらないってか。
「お前は排水溝にでも詰まってろ」でヤラれた。さすがはレジェンドの職人芸。これだけ口悪いのに嫌味がない。主役も含めて全体的にいかにもアニメチックに振り切った芝居が楽しい。アニメ見てるなーって感じ。話題作映画の実写の役者のナチュラルな演技ッ!もこれはこれで的に特に嫌いでははないが、アニメはアニメでコテコテなアニメ声のアニメ芝居でいいと思う。だってアニメ見てるんだから。
名前で客呼べるアニメ監督って宮﨑富野庵野新海細田レベルの天才なのに、陰キャ風味なだけでノレるってのもこれはこれですごい。こんな地位も名誉も金もある資本主義社会の勝ち組の中でもかなりの超絶上澄みなのに敵認定されないって、陰キャは現代最強の属性なのだと思う。
いやでも巨神兵は超えられないだろ次どうすんのって思うのは思う壺ってやつですね。