テングタケ さんの感想・評価

3.5
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

物凄い「りぼん」感

初見で、キャラデザに物凄い「りぼん」感があって見続けられるのか不安になりましたが、慣れるとこれはこれでアリかな、と思えるようになりました。ていうか結構可愛いかな、と。でも足とかマッチ棒みたいで、どのキャラも年齢相応(中1)の色気は全くありません。9歳の「なのは」の方がエロく感じるほどです。
と、あまり期待せずに観始めた本作ですが、これが意外に面白かったです。特に前半の20話ぐらいまでは、次から次に魔法がらみの難題が降りかかり(原因は主人公の無思慮な魔法の乱用ですが)、結構緊張感がありました。
あと私は誰が誰を好きだとか全く興味ないんですが、本作では丁寧に主人公とイケメン男子の交流が描かれ、最初は別の男が好きだったのにだんだんとイケメン男子のことが気になっていく主人公の気持ちがよく伝わり、主人公を応援したい気持ちになれました。
主人公を演じるのは大谷育江で、元気ハツラツで活発な主人公と、おしとやかなお姫様の2役を上手く演じていました。ピカピカ言ってるだけでガッポガッポ稼いでるのかと思いましたが、さすが実力に裏打ちされているんですね。
あとSMAPの草薙が結構重要な役で声当てています。これが意外と悪くないです。
草薙が悪くない代わりに(?)、主要なキャラであるイケメン男子とライバルキャラの声が良くないです。イケメンは最後まで素人っぽいし、ライバルはあまりにオバサン声すぎます。もっと適役な声優はいなかったんでしょうか。
主人公は、最初は他人に変身できる魔法を持っているんですが、話が進むにつれてコピーロボットや時止めと時戻し、拡大縮小の魔法まで使えるようになります。クヌム神・サーフィス・ザワールド・バイツァダスト・リトルフィートの能力がそなわり最強に見えます。この能力を駆使して主人公はやりたい放題です。正直なんでも魔法で解決したがる主人公にはイラっとする場面も少々。
全体的に、ラブコメに興味のない私が全61話という長丁場を乗り切れるほどには面白かったです。ちなみに途中回想という名の再放送が5話ぐらいあったような。
OP1曲とED3曲はSMAPが歌っています。曲が悪いのかもしれませんが、SMAPってこんなに歌下手だった？なんか常に声がうわついてます。OPは1曲しかありませんが、前半と後半で背景アニメーションが変わります。後期のアニメがドラマチックですごく良く出来ていると思います。個人的には、みんなでとぼけて変身ポーズを取るシーンがツボでした。
さて、ここからネタバレ。
魔法少女物において、魔法との決別は盛り上がるところなんですが、さて本作。フィナーレに向けて期限終了による魔法の返却・記憶の抹消・マスコットとの別れ・イケメンとの別れと直面し盛り上がっていくのですが…。なんとそれが全部、適当な現状維持ということでなーなーで終わってしまします。さすが児童向け漫画です。人生別離足る。関係者との別れを描き切ったファンシーララに比べると雲泥の出来です。
というわけで最後はものすごく物足りなかったですが、全般的に悪くない出来でした。個人的にはもうちょっと足がムッチリしていれば…。