Rera さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:今観てる
スケートシーンが素晴らしい
脚本花田十輝、OP米津玄師、フィギュアスケート振付がオリンピアンである鈴木明子と力入りまくりのスタッフ陣で、制作がENGI?!
正直どうなるかと思っていたが、話の導入としてはほぼ完璧な第1話。花田脚本は冒頭から泣かせてくる。
フィギュアスケートに憧れを抱いてはいるが、気弱で劣等感を抱えているが主人公と、選手としては大成しなかったコーチが二人三脚でオリンピックを目指すお話。
スケートシーンが作画がほぼ完璧。本作はリアルなスポーツアニメだけに作画が良ければストーリーにも説得力が増す。
おそらく予算をかなりかけているのではないかと思われるが、なぜこういう座組になったのか舞台裏を知りたいところ。
(第2話感想)
この作品は、親の思いと子の思いのすれ違いが実によく表現されている。
大人は勝手にこのくらいさせておけば満足するだろうと勝手に考えている。それは間違っているわけではない。皆がオリンピックに行けるわけでもないのだから、別の道に進むべきときは必ずある。
しかし、なかには強い意志を持った子どももいる。天才もいれば努力の才能があるものもいる。子どもの「本気」のようなものを親は感じ取ってやらないといけない。そしてよいアドバイス送ってやらねばならない。いのりににとってスケートは単なる習い事ではない。自己表現の場でありそれを奪われたくはないのだ。
光との出会いはいのりにとって幸運だった。こういう幸運も人生を左右する。きっかけはどこに潜んでいるのかはわからない。
光に触発されたいのりは、司の前で「オリンピック金メダル」という言葉を口にする。彼女はここでまた一歩成長を遂げる。
(第3話感想)
今回はダイジェスト感があった。
いのりが急にうまくなりすぎのような気が。いちばん簡単なジャンプとはいえ、もうシングルサルコウが飛べている。
小学生だから飲み込みは早いとは思うが。成長の過程をもう少しうまく見せられなかったのか。
先週基礎練習をやっていたと思ったら、もう試合に出ようという話になっている。
司の体格がいい。フィギュアの男子選手って結構筋骨隆々なんだ。
男性スケーターらしく力強いスケーティングがよく表現されている。
それから、ショートケーキとたい焼きのくだりはとても印象的。どちらを選んでも優勝に導くというのは名台詞。選ばせるけど責任はとる。指導者の鏡だ。
いのりちゃんの仕草がいちいちかわいい。
ジャージを頭からかぶっている姿はとてもコミカル。
ダンスが下手で笑われているかもという気持ちもよく表現されている。
ネコ娘登場。猫キャラって多いよね。かなり性格も尖っている。
優勝するために昇級をしないというのは多分あるあるなんだろう。
いのりちゃんの得意技、フライングシットスピン。技術点が高いのね。
(第4話感想)
とても感動的ないいエピソードだ。花田節も全開という感じ。
親ならばその気持ち、よくわかる。完全に感情移入。
親は子供の将来を考えるもの。子どもに単なる習い事なら別だが、こういうトップを目指す競技スポーツの世界ではなおさらだ。
最終的には子どもの意思が重要だが、皆がオリンピック選手になれるわけでもない。
何をやらせてもダメで成績も悪いとなれば親としては本当に心配だろう。
お姉さんの挫折のことを考えるとなおさらだろう。
でも子どもの意思は全く別のところにあったりもする。
主人公にとって唯一輝けるのがフィギュアの世界だったのだ。
私も親なので、母親の気持ちは痛いほどよくわかる。
そして子の成長を目の当たりにするのは何にも代えがたい感動なのだ。
お姉さんが明るくてよかった。描き方もいい。
つらい記憶を描いてもよさそうだがそういう話にしないのがこの作品のいいところなんだろう。
(第5話感想)
ミケのエピソードも良かったと思うのだが、狼嵜光の演技がすべて持っていってしまった。
正確なジャンプ、無駄のない流れるようなスケーティング、実写のようで息を飲んで見入ってしまった。
3DCGの極地とも言えるような素晴らしい画作りに脱帽である。
(第6話感想)
今回は「司」回と言える、司の過去と現在に至るまでの話が中心となっている。
今日のスポーツの習い始めは、幼少期(3歳~7歳くらい)から始めるのが普通であり、
特に競技スポーツとなるとその傾向が強い。
特にフィギュアスケートのような体が小さいほうが有利なスポーツは早熟さが必要であり、
狼嵜光のように小学校5年生にして、世界レベルに達する選手も出てくる。
いのりもそうだがフィギュアを14歳から始めるのは異例の遅さであろうし、司本人が直面した苦労は、エピソードにあるとおり想像に難くない。
フィギュアのようなお金のかかるスポーツでは、経済的に続けるのが難しいし、練習場所の確保も大変である。
スポンサーがつかなければ、自らアルバイトなどで稼がなければならず、場合によっては、借金をしなければ競技を続けることができないこともあるようだ。
それでもフィギュアを続けた司は、その並々ならぬ努力と精神力で、日本でトップとはいえないまでも一定の成績を残したことは称賛されるべきものだろう。
ジャンプなどの体への負担が少ないアイスダンスへの転向が、彼にとって良い選択だったのではないだろうか。
(アイスダンスはその競技の性格上、トップ選手は世界的に見ても30代が多い。日本でも高橋大輔選手がアイスダンスへの転向を果たしている。)