中島野球しようぜ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
クレヨンしんちゃん映画再生期最後の輝きか?友情と感動に重きが置かれた傑作、おすすめ度★★★★★
本当ありがとう 友よ
クレしん再興期最後の黄金作にして、シリリ以降の第2の迷走期に入る前に作られた作品。脚本はなんと芸人の劇団ひとり。高橋渉監督との共同名義ではあるが、非常に珍しいお笑いタレント主導の脚本となっている。
内容はゲストキャラクターであるサキとの交流、悪夢の世界でサキをお助けする内容と、いつものクレしん映画路線ではあるが、サキの父親の娘に対する愛情ゆえの暴走、みさえが見せる親心の大切さやネネとサキの確執の解消と、全体的なゲストキャラクターへのアプローチが深く、その周りの話はとても感動できた。
夢の世界という幻想的ながら子供らしさも備えた身近さを舞台にした設定もよく、悪夢の世界と幸せな夢と悪夢の対比関係を利用した設定も活かし方がシンプルながら分かりやすく、変に奇を衒うことなく設定をしっかり組み立てられていた。
サキの悪夢のトラウマ描写なども鮮明に描かれており、ギャグやホラーもきちんと完備する隙のなさ。それでいて感動もできる手堅い作り。名作と評価されるのも納得である。ただ、いくらサキのためとはいえ父親が独善的過ぎるのとお咎めがなかったのが気になったかな…
高橋監督のクレしん映画はカンフー除き基本的に評価は高いが、ロボとーちゃんとこれは特に手放しに褒めてもいい出来。正直橋本みたいな無能呼ぶより高橋メインでやった方がもう少しクレしん映画の雲行きは良くなるんじゃないの?