STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
太宰 治を彷彿とさせるセンセーが異世界に転移する内容で、異世界転生転移ものの主人公
らしからぬキャラが転移するというギャップが面白いところの一つ。
当初は序盤のインパクトだけで後は尻すぼみになるかと思いきや、異世界でのストーリー
展開が結構面白く、ギャグコメディだけでなく異世界冒険ものとしてかなり楽しめるものに
なっていた。
センセーの行動も旅を続けるうちに仲間が増えていくというもので、主役は異端でも展開は
王道といった感じ。
そして、なんといってもこの作品の個性的部分はセンセーの異世界転移で得た能力が、他の
転移者を元の世界に戻してしまうというもので、こういう設定は他の作品にも
あったのかもしれないが、少なくとも自分には初めてで、かなり斬新なものであった。
更に一律に元に戻す展開になるかと言うとそうでもなく、カイバラのような真正の悪は元に
戻ることなく、異世界で倒される展開になるなど、視聴者(読者)の溜飲が下る配慮をちゃんと
しているみたい。
この旅はセンセーの成長?譚にもなっており、元々心中からの転移に始まり、異世界でも
「死にたい」願望は続いているような態度や言動をしているが、アネットらと行動を共に
するようになって、本人も無意識のうちに生を謳歌しているような印象。
設定的にも多くの作品が異世界転生・転移ものに見られる、転生・転移者が異世界に存在する
悪を倒す展開ではなく、転移者が倒すべき存在だったりするのも面白い。
エピソードには寓話的なものもあり、後味の悪さも含めて「キノの旅」」を彷彿とさせる。
こういったエピソードも盛り込むことは話の振り幅を広げている印象。
2024/12/31