二足歩行したくない さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
生きた証を求める魔法
斯くして、魔王は勇者一項によって討伐された。
見事それを成し遂げた勇者ヒンメル、僧侶ハイター、戦士アイゼン、そして、魔法使いフリーレンは、あまりにも長い10年という旅路を振り返っていた。
しかし、1000年を超えてなお生き続けるエルフのフリーレンにとって、10年という期間はとても短いものだった。
4人は、50年に一度降るエーラ流星を見ながら、次はフリーレンのおすすめの場所で見る約束をして分かれる。
そして、50年の時が過ぎ、年老いたヒンメルと再開したフリーレンは、ハイター、アイゼンと共に流星を見に出発する。
その旅にかつての楽しかった冒険の日々を重ねながら、ヒンメルは永遠の旅路に出かける。
週刊少年サンデー連載のファンタジー漫画のアニメ化作品。
かつての10年の旅の中で、一度もヒンメルをわかろうとしなかったことを後悔したフリーレンが、人間を知るために出た旅路を描いた内容です。
舞台はなんとなく中世ヨーロッパっぽいのですが、それほど作り込まれているわけではないです。
剣と魔法が存在し、エルフやドワーフ、魔族といった種族が存在する、今どき珍しさすら感じるテンプレ的なファンタジーです。
1000年を生きた魔法使いであるフリーレンはもはや最強であり、本作は俺TUEEE系といえると思います。
ただ、強大な敵を相手取って無双したり、未開の異世界人に現代技術を披露してモテモテになるアレとは根本的に違っています。
永遠に等しい時間を生き続けるフリーレンが人と付き合い、触れ合って、その思いをはるか遠く未来へ持ってゆくであろうことがテーマなのだろうと思います。
と、聞くとまじめな作品のようですが、これで意外と女の子がたくさん登場します。
フリーレンはハイターに託された魔法使いの少女・フェルンと、アイゼンの弟子であった戦士・シュタルクと共に旅を続けているのですが、いろいろとおっきいフェルンとフリーレンのコンビはバランスもいい。
また、フリーレンを始めジト目の女の子率が高く、見る人が見れば「俺の嫁」なんていう死後が復活すること請け合いですね。
ムチムチからロリまで揃っている一方で、男性キャラは悲しいくらい個性に乏しいです。
ヒンメル、アイゼン、ハイターはあんなに個性豊かなキャラクターなのに、シュタルクを除く男キャラを分別するポイントはメガネくらいな気がします。
残念な点として、フリーレンは悠久の時を生きているのですが、その設定を活かせていない感じがあります。
設定的に、数話後にはフェルンやシュタルクもあっという間に老いて、フリーレンはその思い出と共に生き続けるようなストーリーになりそうですが、魔王はすでに滅んでいて宿敵と呼べる敵がいない世界の中、旅を続ける一行には日常系のような安穏とした雰囲気があります。
ぶっちゃけたところ、最初の数話がピークで、後はリーニエがかわいく、アウラ様がかわいいだけのストーリーでした。
サンデーの悪い癖で、売れてるので完結をむりやり先延ばしにされてしまっているのではないかと思ったりします。