あと さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
鋼の錬金術師オルタナティブ
FA版の方を見てなんて素晴らしいダークファンタジー少年漫画の傑作なんだ…。と歴史に残るアニメだと感じていましたが、旧作の評判もかなり高く、「リライト」「メリッサ」「READY STEADY GO」などOPも好きでよく聞いていた作品であったため、視聴。見始めたのが4月頃で見終わったのがつい最近なのでまだ完結編である劇場版を見れてはいません。
言わずもがなこちらも大傑作。終盤のどこまでも闇に進んでいくダークで緊張感のある展開は圧巻。というか後半は終始激重シリアスで鬱展開の嵐、これを土曜夕方18時から放送していたんですか???本当に???まあそれは置いといて本作は『鋼の錬金術師』としてはかなり異質というか、終盤にかけて仲間が集結して絶対悪やホムンクルスに対して戦う人間の力強い生命力を感じた原作の展開とは異なり、こちらは人間の愚かさを自覚することができずさまよい続け、敵も自問自答をするなど不完全な世界で不完全な人間たちであるが、それが良いという明らかに芯のテーマが違うベクトルになっている。これは2003年という終末思想がまだ残っていた時代背景か『新世紀エヴァンゲリオン』放送後というのも影響しているのだろうか、とにかく話が暗くてダーク。面白いものの、キャラが楽そうにしているシーンはなかった。ハガレンの明るい世界観を知っているためここまで暗くなるのか…という感じ。エドのキャラがメンタル面でかなり違うのがでかいかな。敵キャラも悪人ではあるものの絶対悪とは言えず、等価交換の原則を疑問視しSF展開に突入したりもして、なかなか先が読めず面白い。序盤・中盤までは原作ハガレン同様の展開だったためここからどうするのかと思えばここまで行くとは。そして救われる展開も報われる展開もない。これはある意味リアルだが物語としてはかなり邪道。しかし作品のテーマとして結末含め確立されている。傑作。
単純にアニメとしてみるとOPやED、アニメーション含めスタジオボンズのスタッフ陣が制作した作品として至高の逸品。アクション作画はさることながら4クール目OP「リライト」のアニメーション、地下都市にエレベーターで降りる景色、エドが滝に飛び降りるところ、ラースとの戦闘は必見。