ひっく さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
絶妙なリアルさを持ったデストピア
ゴールデンタイムに放送されていたとは思えないダーティーなアニメ。これどう考えても深夜でしょう?
元暴走族の主人公・鬼塚が、型破りな人間性と行動で学級崩壊したクラスから徐々に信頼を獲得していく学園アニメ。この時代のギスギスした空気感をリアルに切り取りながら、荒唐無稽なフィクションをぶっ込んでいくバランス感覚が凄い。今はこの頃とはかなり異なる時代になってしまったけれど、だからこそぶっ飛んだ世界観が際立っているようにも見える。
90年代以前のアニメはデザインや作画以外にも話のテンポ感などで敬遠されがちだし、実際に今の視点で観返すと引き伸ばしを感じてしまう作品も多いけれど、GTOは今の作品に観慣れた状態でもドキドキハラハラできる安定したテンポコントロールを持っていてオススメしやすい。作画もセル画時代であることを踏まえれば個人的にはそこまで気にならないし、トラックで暴走する場面をはじめ気合が入っていて格好いいシーンは随所にちゃんと用意されている。
鬼塚をふくめ、誰もかれも正義とは程遠い。でもそれがどうしようもなく面白い…。