どどる さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
みんな元気いっぱいでよい
登場人物がみんな元気いっぱいでよい。
キャラクターに人生や目標があることを感じさせるのは、キャラクター性を強く感じさせる上で最高のやり方。
ちょっと登場するキャラクターにもそれなりの個性や目標があることを感じさせる。
主人公にベタ惚れのヒロインたちも、各キャラに自分軸の価値観を持っている。クライを褒める舞台装置に堕していない。
ティノは主人公を慕うかわいい後輩だが、かなり好戦的。主人公がバカにされると突っかかっていく。そんなに強くないので、これで主人公の敵を倒してスカッ!ではなく、クライを困らせる結果になるのが良い。
クライの威を借りて好戦的になるだけでなく、クライのせいでよく困っているのも良い。
情緒の振れ幅が大きい。ティノ、クライと一緒にいることで疲れてそう。
逆に強キャラのリィズは敵(とも言えない程度の仲たがいをした相手)を倒してしまうが、それはそれでクライが望んでいないやり方で困ってしまう。
主人公のためにすることが暴走になっていて、主人公のためになっていない。
こういった展開のおかげで、チヤホヤされてるのにチヤホヤ感のイヤミが少ない。
シトリーが上記二人と真逆なのも良い。
おしとやかさを補って余りあるほどヤバいが、必ずしもヤバさだけでキャラを立てようとしていない。
ちゃんと大人しさとヤバさの両面が描写されている。
めっちゃかわいい。結婚を前提に借金させまくるの上手い。上手いか?
また、各キャラのヤバさが、「ヤバい」こととして表現されているのも良い。
チートものでは「結局主人公が正しいんだから法律違反も放言も許される」というムードが醸成されがちだが、嘆きの亡霊はそんなことない。
ちゃんと法律違反だし、ちゃんと犯罪な感じがする。
その毒はコメディで緩和してあるが、気になる人には気になる部分か。
欠点を挙げると、キャラクターがみんな元気いっぱいすぎることか。
各キャラが勝手に暴走するので、「主人公のお話」が見たい層にはもどかしい構成になっている。
元気いっぱいな色んなキャラが見たい人、群像劇的な作りが好きな人向け。
ワガママなキャラたちがワガママいっぱいにしているのが好きな人にオススメ。