CAcNy99953 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
残酷で美しい「理」と「情」の両方。 あるいは、「強さ」と「弱さ」の狭間。
最初に、書いておくと少し独特な感性の個人レビューになるので、ご容赦を(>_<)
今まで見た和風アニメの中では一番の作品だった。
特筆すべき点は主人公二人のキャラクターの魅力、人としての深みが一番印象につよいということ。
最近、色んなアニメを見てきたが、キャラクターに一貫性が強くあり、人としての深みを感じる作品になかなか出会えなかった。この作品の主人公二人は、数年前に見たコードギアスのルルーシュとc.c.以来の深みだった。その意味で、とても幸せな作品。それぐらい魅力ある深い人間性をこの作品は描けていると思う。
具体的に掘り下げると、「画眉丸」と「佐切」は対照的な生い立ちと性格であるが、むしろ、とても通じ合う「心」と「思い」がある。その関係性と心の交流・やりとりが本当にうまく描写されていた。二人とも儚く、繊細であると同時に、強い意志があり、むしろ、一番重要な根っこのスピリットはとても共通している。よくこのようなキャラクター設定を作り、それをこんなにもうまく表現できているなと本当に感動する。
サブキャラも感情・生い立ち・人柄・価値観・関係性などしっかりと作っていて、キャラが死ぬことが多い作品なのに、死と同時に、強い「生」を感じさせる。サブキャラであるのに、サブキャラではない。そのレベルで生き様を表現している。
ストーリーの方は、難解な複雑さや伏線の多さを狙った類のものではないが、それは決して悪い意味ではない。もちろん、練ったストーリーも好きだが、それはそれ。これはこれ。
この作品は、残酷だが美しい。テンポが良く、わかりやすく見やすい。それでいて引き込まれる。そこが魅力
わかりやすさが故に、複雑さを使わずとも、伝えたいメッセージがクリアにまとめられているようにも見える。
加えて、セリフもかなり印象的。なぜなら、キャラの深さが根源のセリフだから。
難しさを重視したセリフや多くのセリフがあるわけでもないのに、鮮明な印象を与える。散りばめられた何気ないセリフに強い意志を感じ、生きているように感じられる。声優さんも、それを本当にうまく表現している。
特に好きなのは、
「情を持って力とし、理を持って見失わず、静と檄のどちらでもなく…」「狭間!」(佐切)
「頑強な心と繊細な心の狭間、あるいは両立」「自分の弱さを受け入れて、初めて相手の弱さも感じられる…のか」 「頑強な心と繊細な心の狭間、あるいは両立」「まるで葛藤の波の中にいるような…」(画眉丸)
このあたりか
映像美としても独特。残酷さと美しさの両世界観をうまく表現したコントラストを描く映像。人を選ぶが、自分にとってはドストライクで本当に素敵だった。
【総合】キャラの深さ・ストーリーの重さと端的さ・映像の美しさが高いレベルでかみ合った本当に素晴らしい作品だと個人的には思います。