「地獄楽(TVアニメ動画)」

総合得点
72.4
感想・評価
278
棚に入れた
937
ランキング
1154
★★★★☆ 3.6 (278)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.6

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ネタバレ

Witch さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

全体を通して「生」というものが多角的に描かれている

【レビューNo.157】(初回登録:2024/12/8)
コミック原作で2023年作品。全13話。
リアタイ時はタイトル切りしてましたが、お付き合いあるレビュアーさんが
軒並み高評価してたのでずっと気にはなっていたんですよね。
ちょうどABEMAで一気見配信してたのでこの機会に視聴。


(ストーリー)
江戸時代末期となる頃、かつて最強の忍として畏れられた画眉丸は、死罪人
として囚われていた。
そんな中幕府から極悪な死罪人たちを集め
・極楽浄土と噂される島から「不老不死の仙薬」を持ち帰ること
・その対価として無罪放免になり、今後追われることがなくなること
・ただしその権利を得られるのは1人のみ
・また島には目付役として、打ち首執行人・山田浅ェ門の一門が同行
という交渉が待ちかけられる。
画眉丸は「愛する妻にもう一度会うため」に、仙薬探しの道を選ぶ。
そして画眉丸の目付役には、山田浅ェ門佐切がつくのだった。
こうして島に上陸した画眉丸たちを待ち受けていたのは、見た目の美しさと
は裏腹に異形の怪物といったこの世の地獄だったのだ。


(評 価)
・緊迫のサバイバル感
 数多く集められた死罪人は10名に絞られ、これに目付役の山田浅ェ門一門
 を加えた計20名が島への上陸メンバーとなります。

 しかし倫理観がぶっ壊れた死罪人、先ずは競合相手を減らすためと身内間
 での潰し合いが始まります。
 そしてこの島は普通の島ではなかった――
 今度は異形の蟲や怪物が画眉丸たちを襲います。
 得体のしれないこの島に一体どんな闇が潜んでいるのか。

 これをMAPPAの優れた作画力で見応えあるバトルシーンを再現するという。
 各々腕には覚えのあるものばかり。それぞれのキャラの強さが魅力的に描
 かれています。

 しかし話が進むにつれ、怪物たちのレベルも上がっていくわけで・・・
 常に命のやりとりを強いられる緊迫のサバイバル感に思わず引き込まれて
 しまいますね。


・キャラもしっかり描かれている
 そしてキャラの背景などもしっかり描かれている点も高評価。
 画眉丸は愛する妻の元に帰るためにという強い思いがあるのですが、もう
 一人の主役・佐切も女性ゆえに・・・という山田浅ェ門内では難しい立場
 にあるようで。
 上陸当初は心技の未熟さを指摘されることが多かった佐切が、画眉丸たち
 との交わりや修羅場を経て成長していく様も見どころのひとつですね。

 他の主要キャラも適宜回想などで深堀されていきますが、意外だったのが
 死罪人だけでなく、目付役の山田浅ェ門のメンバーも結構掘り下げられる
 ことが多かった点ですね。
 最初はお飾り程度のイメージだったのですが、魅力的なキャラが多く物語
 を盛り上げてくれていました。
 また最初は「死罪人×目付役」という関係が、次第に心を通わせ合い変化
 していく様も丁寧に描かれていて面白いですね。

 しかしサバイバルなので・・・キャラにしっかり感情移入させてから
 「え――っ、あの人ここで退場しちゃうの!?」
 で効果を倍増させるという、こういうところもしっかり出来ている作品だ
 と思います。


・神秘めいた独自の世界観と多角的な「生」の描写
 (宗教には詳しくないのでアレですが)
 作中の「極楽浄土」や「蓬萊」という言葉に代表されるように、古代中国
 の神教や仏教的などこか宗教めいた香りのする世界観が描かれてます。
 またこの島の支配者である「天仙」は蓮の花から生まれたお釈迦様を彷彿
 させますし。
 
 そして全体を通して「生」というものが多角的に描かれています。
 ・不老不死という「生」への欲望
 ・死罪人という「命」の軽い存在
 ・心は”がらんどう”だと思っていた画眉丸の「生」にこだわる理由
 ・人の死を司る打ち首執行人・佐切の葛藤と殺した「命」を背負う覚悟
 ・杠が下す、生かす「命」と切り捨てる「命」の取捨選択という決断
 ・絶望的な状況でも生きることを諦めない「生」へのあくなき挑戦
  {netabare}(天仙にはたどり着けない決死の姿→「生」と「死」の狭間の美しさ){/netabare}
 「死」というものが身近にある世界だからこそ「生」というテーマが問わ
 れる、そんな作品ですかね。


2期も決定しているようですが
{netabare}・島の支配者「天仙」を中心としたこの世界とは
・「不老不死の仙薬」の有無
・画眉丸の記憶への疑念{/netabare}
今後が気になる伏線もしっかり張って、1期は綺麗に終わりましたね。

・独自性のある世界観に緊張感のあるストーリー展開
・キャラ描写の細やかさ
・よく動くバトルシーン
・「生」というテーマ性
どれも満足度の高い出来映えの作品だったと思います。
さすがに他のレビュアーさんが高評価するだけのことはありますね。
これはタイトル切りで放置してたのを後悔するレベルですわw
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OP『W●RK/millennium parade × 椎名林檎』
・まさかの椎名林檎にKing Gnuの常田大希との共同作業とか力入ってるな
ED『紙一重/Uru』
・Uruのよさが引き立つ良質のバラードで毎回EDが楽しみだった 

投稿 : 2024/12/15
閲覧 : 83
サンキュー:

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