くろゆき* さんの感想・評価
3.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 1.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
自分に対する極端な否定と嫌悪、そういうとこが自己愛強いって言ってるんだ。普通の奴はそこまで自分に興味ない。
・会話劇
抑揚のない落ち着いたトーンでの会話なのにやけにおもしろい。
それはテンションで誤魔化すのではなく会話劇そのものを楽しめている証明でしょう。
不意にくるワードセンスには幾度となくクスリとさせられました
既視感があったので調べてみるとシナリオは「セトウツミ」の作者さんでしたがウィットに富んで皮肉の効いた会話には唯一無二のものがあるため意外ではありませんでした。
・積み重ねられる伏線
救急車で目を覚ましたときは「あー、なるほどねー」と感心してしまった。
一話から見返すと、どれだけ細かく伏線が散りばめてあるのかがわかります
・序盤
のっけから会話中心で、どんなアニメなのか掴むことができずに視聴をやめてしまった人もいそうです。
また1クールで一つのシナリオなため、一話でも見逃してしまうと付いていくことは難しいでしょう。
秀逸でシュールなサスペンス群像劇でした。
まずは動物たちが人間のように生活しているポップな世界観に注目することになりますがそのキャラクターたちが、やけに人間味に溢れているんです
婚活サイトで見栄を張る中年。SNSで承認欲求を満たそうとする若者。生活を犠牲にしてまでのスマホゲーへの重課金。
仕事量と人気による芸人のコンビ格差。
などなど、時代の風刺や人生の哀愁を効かせることで、それがウッドタクシーにしかない世界観を構築していました。
ある事件を軸に物語は進められますが、中盤以降はいくつもある小さな秘密と不穏がじわりじわりと広がっていき視聴を止められませんでした。
おわってみても全ての登場人物が物語に関わってくるため無駄キャラはいなかったのがわかり、なにより主人公をタクシー運転手にして不特定多数と一瞬だけ交わらせることで、多くの人生が絡み合う物語の中心に据える。
ちなみに多くキャラが登場する群像劇なため複雑だし、その全てが語られるわけではないので不明な点もあったのですが、YouTubeで公式公開されているオーディオドラマで疑問の大部分は解消されました。
本編と併せて聞くことをオススメします。