ひっく さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
リアリティの中の一点のフィクション
社会に馴染めず、家から出ることにも難儀を抱えた主人公が、
ひょんなことから絶妙にイヤ~な出来事に巻き込まれていく。
でもそんな中にも色々な出会いがあり、苦い青春を呑み、
ほんの少しだけ社会に適合できるようになっていく。
主人公の内面を表した幻覚のような表現が秀逸で、
なんらかの生きづらさに悩まされている方なら刺さる部分があると思う。
終始ギリ現実にも降りかかってきそうな危機に直面し続ける物語には独特のサスペンス感があるが、
このギスギスした嫌な現実の空気の中で唯一「岬ちゃん」というヒロインの存在だけが
圧倒的なフィクションとして視聴者を照らし続ける。
物語の構造がDVみたいだ。
観終わった時にはきっと岬ちゃんロスに陥ることうけあい。
社会で上手くやっている人には理解できないかもしれないけれど、
そうでない人には烈しく推薦したい一作。