nyaro さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 2.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
テーマ・キャラ・話のどれも評価できず。演技が致命的でした。
CG表現に期待して見ましたが、動き(演技)に人間、モビルスーツのどちらもかなり違和感を感じます。リアリティは全く感じませんでした。切り取られた写真のように鑑賞してCGすごいならわかります。
ファーストガンダムは結構作画ひどいですけど、ランバラル・ハモンとアムロが酒場で出会うシーンは動きは少ないけどものすごいリアリティを感じました。ミハルが空に散るシーンは止め絵です。それでもひどく感情を動かされます。演技・演出の効果だと思いますが、本作はそれがまったくできていません。
例えばですけど、文楽の人形そのものは人間には見えませんが、その動きに我々は人間を見ます。その延長にあるのがリミテッドアニメで記号ではありますが、受け手個々人の中にある体験・経験・知識により立派に生きている人間に見えます。演出によってそれが見事にできています。
その全く逆を本作はやっている感じです。大げさな演技というか余計な動きが非人間的非モビルスーツ的でそっちがノイズで物語そのものは楽しめません。
また、話の内容もスケールが小さく「スターウォーズローグワン」で感じた、何を見せられたんだろう?という気持ちになりました。裏の歴史的なものって、やっぱりメインキャラ、正史とはずれた部分なので大きな物語を作るのが難しい部分です。
それを言うなら08小隊、0080、0083もそうですけどね。そう、この3作の宇宙世紀としての大きな物語としての無意味さにちょっと近いものを感じました。ただ、これらのOVAはエピソード、アニメのクオリティでは相当なレベルです。本作はエピソードとしてもクオリティとしても弱いなあと思います。
テーマですが…例えばモビルスーツの恐怖で言えば、「ハサウェイ」のホテルが襲われるシーンの方がモビルスーツの暴力・理不尽さを短時間で表していたかなあ。
それと、ニュータイプの扱いが中途半端すぎて、どうでも良かった気がします。中途半端なヒューマンドラマのためでしょうか。
しかも「スターウォーズローグワン」はキャラのバラエティで見られましたが、本作はキャラがステレオタイプすぎでしょう。それこそヒロインはハリウッド的女性兵士のステレオタイプでしかありません。そして、本作のサブキャラは噴飯ものでひどいです。女性の性格悪そうな奴とかなんのために描いたのか全く理解できません。
「ハサウェイ」のギギと本作のヒロインのどっちのバックグラウンドに深みを感じるかと言われると、圧倒的にギギです。セリフの一つ一つを味わおうという気になるキャラでした。本作はセリフを言い散らかしているだけに聞こえました。たった1作の中途半端な映画であるハサウェイに完全に負けている気がしました。
要するにCG表現、演技・動き、テーマ、大きなガンダムストーリーとしての位置づけ、キャラ…どれをとってもスピンオフの意味が希薄すぎます。IPを使いたかっただけにしか見せません。まあ、正味2時間程度なので時間の無駄とは言いませんが、評価はかなり低くせざるを得ません。
演技・演出をCGに含めて売りであろう作画にも2をつけます。音楽はよくわかりませんので3のデフォルト。声優は演技がうるさく優秀な戦士としての気迫が感じられませんので、2.5。ストーリー・キャラは上記の理由で1.5とします。