dossun さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
クスっと笑えて、心理描写も上手な良作
思春期の高校生たちの繊細な心理描写と上品な感じの笑いが好きな作品でした。
{netabare}
登場人物ひとりひとりの個性が色濃く出ていて、この人にはこんなバックグラウンドがあるから、こんな感じ方をするんだみたいなところがわかりやすく、話を追っていきやすい感じも非常に好印象です。
石川県から上京した主人公岩倉美津未の人柄の良さと地方出身者だからこその物事を想ったままに話せる感じのキャラクター、失敗してもまたなんとか取り返そうとめげない感じが非常に人当たりよく、好きになれるキャラだなと思いました。
一話目の余裕かましていたら、遅刻してしまい、志摩君との出会いを果たし、そつなく代表挨拶をしたにも関わらず、先生にゲロっちゃうところは正直ツボに入りましたが、それ以外にも、自分に無理せずそのままであり続けようとする姿や相手のことを思いやる力の強くて、素敵だなと思えます。
特に岩倉さんは背景を追いやすいですが、
志摩君の元子役であり、スキャンダルの渦中にあったという背景や、容姿端麗なだけに、クラスのイザコザに巻き込まれないよう距離をとる結月、いい彼氏を作りたい、いい女性に見られたいと自己肯定感を高くしようともがくミカ、偏った価値観を美津未や結月との出会いから変えていこうと努力する誠といった登場人物もしっかりと背景が描かれ、その感情に寄り添える感じがあって、表面的な内容よりももっと深いものさしで見れる登場人物が多くて、人の内面に触れられているなと思えることが多くてよかったです。
よかった回として、6話目で美津未と志摩くんが互いの価値観の押し付け合いになってしまい、少し距離ができてしまう回がありましたが、素直になろうと決めた美津未が「本当に言いたかったのは、志摩君がいないとつまらないってこと」と話したシーンが非常に甘酸っぱく、それに対して志摩君も「変な噂に惑わされないでね」と返したところが青春を感じさせられましたね。
作画についてはさすがのP.Aさんなので、繊細な感じの作画が素敵でしたね。 {/netabare}