dossun さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
法とシビュラシステムの在り方を問う
10周年記念ということでの作品でしたが、
相変わらず内容が複雑であるものの、語られなかった部分が語られたので楽しめた作品となりました。
{netabare}
まずは何といっても
1,2期メンバーの活躍が見られ、狡噛さんや宜野座さんを始めとしたメンバーの体術や連携、それぞれに特化した能力で事件解決に向けて動く姿は久々のサイコパスの世界観を感じさせてもらうことができ、非常に満足でした。
ピースブレイカーたちの犯罪係数が上がらない謎や軍隊畑ならではの体術戦が見られるところが非常にひやひやわくわくさせられます。
そして、次は喪失感の大きさです。
今回で雑賀先生、進藤本部長、煇といった三人が亡くなります。
特に、雑賀先生がここで死んでしまうという時の喪失感は大きかったですね。
1期の槙島聖護、2期の鹿矛囲桐斗、東金朔夜の事件の時に常守監視官のよき相談相手として協力してくれた先生が死ぬことの喪失感はかなり強かったと思います。そして、それが仕組まれているような感じがわかっていたにも関わらず、防げなかった無力感が強烈にくる感じでしたね。
公安の頭脳になってくれていた雑賀先生の死は作品の雰囲気を大きくあげていたと思いますし、その代わりになるキャラがいるかというと何とも言えない、そんな感じでいた。
最後は、常守監視官の選択です。
ピースブレイカーたちの指導者であるジェネラルがシビュラシステムに取り込まれたことで、法律の全廃理論が一層進みそうになる中、自分がその法律を守るための選択肢として、あえて局長を公然の場で殺害するという選択を取った姿に、常守監視官の決心の強さがうかがえました。
誰もが責任を他責としてきた中で、自分が責任をもってその役割を担うという姿は誰よりも男らしいですし、その報いを自ら感じ涙するシーンはジーンと来ました。最後に狡噛さんが彼女を迎えに行く趣旨の発言をしていたところがさらに、二人の関係性の強さを感じさせてくれて、グッときましたね。
難解な世界観だからこそ、追いかけることが難しいところもありますが、
内容が読み解ければ読み解けるほど、楽しくなるこの作品が面白いですね。{/netabare}