STONE さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
とりあえず簡単な感想
原作は未読。
他人だった若い男女が一つ屋根の下で暮らすことになって・・・、というシチュエーションの
作品は幾つもあるが、その多くはぶつかり合いながら次第に仲良くなって、その過程では
ラッキースケベがあったりと明るく楽しいラブコメ展開で進んでいくのに対して、本作は比較的
シリアスな要素が強く、メインの浅村 悠太と綾瀬 沙季が醸し出す淡々とした雰囲気の中で話が
進んでいくところが大きく異なる。
まあ、最終的に互いに好きになるところは多くのラブコメと同じではあるけど。
キャラの心情描写を丁寧に描いているが、その分ストーリーの進みはゆっくりした感じで、
本作の内容は他作品なら半分の6話ぐらいでやってしまうんじゃないかと思うぐらい。
個人的にはこういう進み方は好きだったりするが、「味わいがある」と思うか、「冗長に
感じる」と思うかは人によって分かれそう。
雰囲気としては実写の邦画、それもエンタメ性の強い大作ではなく、上映館が少ない文芸色が
あるような作品に近い印象。
あと悠太と沙季のモノローグ描写が多いため、全体的に静的で、「アニメは動いてこそ」
みたいに思う人だと物足りなさを感じそう。
実際、「本来は媒体としては小説向きかな」とは思ったり。
メインキャラの悠太と沙季だが、いずれもよくできた子で、高校生らしからぬ大人びた
雰囲気がある。
再婚したそれぞれの親の方が幼い感があったり。
ただ、この大人な部分はこれまでの家庭環境によるものでもあるようで、いずれも自分の
感情を押し殺して行動し、その葛藤が話を厄介なものにしている。
自分から動けない分、話を打開するのが外部の意見というわけで、悠太には藤波 夏帆、
沙季には工藤 英葉というキャラが登場するが、なんか唐突に現れては意見をしてという感じで、
いかにも「話を動かすために登場させました」という感が強かったりするのが残念。
悠太と沙季の互いの気持ちが分かったというところで終わりと、締めとしてはまずまず。
状況自体は現状のままということで、今後の二人の暮らしぶりが気になるところ。
2024/11/17