薄雪草 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
クリエイティビティーが人生の背中を押す
アマプラが観られない環境なので、上映スケジュールをにらみながら劇場に飛び込みました。
1,700円?58分? タイパ?コスパ? そんなのノープロブレム。
予想を超えるお釣りとお土産をいただきました。
ギャップがとんでもなかったです。
心躍らす高揚感から、一気に行き場のない喪失感へ。
止め絵が2人の幸せを物語る、物語る。
たった6年と言うなかれ。
子どもの戯れ事と笑うなかれ。
2人の研鑽は、清廉で、高密度で、愛と歓喜に溢れた黄金の時だったのです。
〜
切磋琢磨という言葉は知らなくても、楽しみを持ちあうだけで生きる勇気が持てる。
そこに紙と鉛筆と机があれば、2人の世界はどこまでも重なり広がっていく。
いつまでも続いていく・・・。
才能でぶつかりあうから、人は自分に舵を切るのです。
この瞬間を永遠にしたいと願うから、違う夢へと走りだせるのです。
送り出せるのです。
彼女の背中を見れば、そこには自分の名前がある。
もう一度振り返れば、そこに自分たちの道が見えている。
だから、立ち止まったままでは許されないだろうと。
ならば、プロフェッショナルとしてペンを握ろうと。
想像力のなせる業が、再起に燃えあがる背中を押すのです。
~
彼女たちが迸(ほとばし)らせたもの。
それは世界を席巻するほどのクリエイティビティー。
想像力が泉のごとくに湧き、創造力を思いの丈に伸ばすクリエイティビティー。
クリエイティビティーに伸ばした手が、独りうたかたに耽る夢を、広大無辺へと踏み出す魂を一つに結びつけた。
ひとりのプロたる所以の、ふたりのセミプロたる由縁がそこにはあった。
彼女らの生々しい希求と、あふれる感情がこのうえなくまぶしい。
かつて記憶の箱にしまったラフスケッチが、トクンと鼓動を打ち出すからだ。
クリエイティビティーへのどうにもならない恋々が、ジワリと体温を上げてしまうからだ。
だから、魂を刻みつけた彼らの作品に、情熱が塗りこめられたその作画に、シナリオに、音楽に、あらゆる努力に。
無心に、敬虔に、辞儀をもって礼節を示そうと私は思う。
~
この世界には、まだ生まれていないクリエイティビティーがたくさんあるはず。
I look forward to your creativity.