あと さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
誰かに贈る、私に向けたエール
漫画を描く女子二人の短編青春映画。主人公藤野の小学生レベルの創作活動から始まり、物凄く絵の上手い不登校女子京本とともに漫画を書き進めていく思い出の時間。
この映画は写実的な映像で制作されていることもあり、心を揺さぶられる描写も多く、京本の視点などには触れられないため、考えられることがかなり多く、見終わったあとは正直放心としていた。登場人物も少なく、密度の濃い思い出にある藤野の人生譚であり、また藤野が創作をし続ける、最後の場面に至る理由なんかも思い、自分ならどうしていただろうか…、今どうしているのか…なんていう現代と過去、そして未来について自分のあり方も考えさせられた。
漫画版とアニメでは正直見終わったあとの印象が全然違う作品であり、この作品を見て気づいたのはこの物語は人生であるということ。今までしてきた選択には意味があり、そこには誰かの思いや後悔もきっと含まれている。創作をしている人にとってあの最後の姿は孤独でありつつ色んな人が一緒にいるのだろうというように感じた。このアニメを見て、ストーリーについてより、物語の意味やメッセージ性に共感したり考察したりする人も多いだろうし、端々にその意味を持たせられるような傑作だった。今を頑張る人に向けられた作品。