ori さんの感想・評価
2.9
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
タイトルなし
過程を雑に描き過ぎる、というより描いてない所為で登場人物の言葉や行動に何の説得力も生まれず、それぞれが忠実に脚本に従うだけのNPCと化していた。これがこの作品を魅力的に感じない最大の要因だと思う。
その最たる例は主人公であるキリト。
キリトといういまいち冴えないゲーマーを主人公に据えた点は全然問題ない。
が、ここで問題なのはそんな「いまいち冴えないゲーマー」が終始物語内で無双する、という点にある。
キリトのスペックが他アニメ主人公と比べてどれも平均的なのは、視聴者が主人公に対しての感情移入をしやすくするためなのだと思う。人並の悩みや感性を持っていて、半ばゲームの世界に逃避する日々を送っているありふれた人間。
しかし蓋を開けてみれば、saoを舞台としたデスゲームに身を投じた瞬間、主人公は短い期間でそのデスゲームに適応し、生死を賭けた戦いにおいても、然程怯えを見せず少々冷や汗をかく程度。極めつけは、殺人を犯したのにそれに対し、罪悪感が無いどころか、回想で少し出てくるだけの「過去に合ったイベント」のような形で昇華させている。
もうこの時点で主人公のキリトは、自分たち常人とは一線を画す精神性を持った人間であり、「いまいち冴えないゲーマー」の設定を通すのは少々無理がある。それでも作品内でのキリトは一貫して平凡なゲーマーとして描写されていたために余計、自分から見たキリト像と作品内のキリト像が一致せず、最後まで感情移入出来なかった。
そんな「いまいち冴えないゲーマー」が行く先々、短い期間で女性に惚れらてハーレムを構築し、大した修行描写も無くいきなりsaoプレイヤー内で最強になって色々あった後、ヒロインと結ばれて終わる物語。
展開の気持ちよさ、快楽だけを追い求めるなろう作品的なモノとして見るならまあ、まだ見れると思う。