退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
復讐の暗い炎に救いはあるのか?
こういう感覚を“しびれる”と言うのだろうか?
この作品を目の前にすれば、そんじょそこらのハードボイルドを謳ったハリウッド映画など全く足元にも及ばないと思える程の激しいインパクトだった。
この作品はTV版BLACK LAGOONの設定をそのまま残した追加エピソード的作品、全5話。
ラブレス家の長、ディエゴにかくまってもらった恩があるロベルタは兵士としての過去を捨て、ラブレス家のメイド長として幸せな生活を送っていた。
しかし、ベネズエラで起きた爆破テロ事件でディエゴが暗殺される。復讐を誓うロベルタは犯人を追って、犯罪都市ロアナプラにたどり着く。ラグーン商会のロックはディエゴの息子、ガルシアからロベルタ捜索を依頼され、ダッチの反対を押し切って、依頼を受ける決意をする。
ロベルタの復讐劇を中心に様々な組織、更には裏で手引きする国家の思惑が複雑に絡み合いながら進む疾走感溢れる強烈なハードボイルド作品。
BLACK LAGOONファンとしてまず嬉しいのがOP。曲を若干アレンジし画質を大幅に向上、同時にロベルタのフラッシュカットインを入れる事で彼女の光と影の顔、暗い炎で燃える復讐心がストレートに伝わってくるメッセージ性の高いOPとなっている。その出来栄えは過去最高のOPと思っていたTV版を凌ぐ完成度の高さで、私は一回もスキップすることが出来ませんでした。
シリーズを通した躍動感溢れるガンアクションは勿論、陳腐な正義や正論など全く通用しないクールさとアンダーグランドな雰囲気も健在。TV版のファンにとっては、ロックの変貌ぶりと各キャラクターの過去が垣間見れるのも楽しめる所だ。
ストーリーの完成度は極めて高く、後半に向かって際限なく加速していく疾走感と緊迫感に、殆どの視聴者は巻き込まれるように魅入られてしまうのではないだろうか?
・復讐の暗い炎の中で、傷つき、壊れていくロベルタに救いはあるのか?
・ギリギリまで引き絞った弓矢で目の前から狙われている様な緊張感の中で、いったい誰が感動の涙を流してしまうエンディングを予想するだろうか?
是非、見ていただきたい類稀な秀作。