STONE さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
非日常的日常ラヴコメ
原作は未読。
当初は日常的背景のハートウォーミングなラヴコメディといった感じだったが、回を
重ねるごとに、日常からは相当逸脱した展開のドタバタギャグになっていっちゃった。
そのためストーリー展開を追うより、キャラ達の馬鹿騒ぎを楽しむような見方になったが、
この路線は人によって好き嫌いがありそう。個人的にはパロディあり、シュールな演出
ありで、結構好きでしたが。
ただ、馬鹿騒ぎしつつも落ち着き先は、ちゃんと本来のラヴコメの締めで終わっており、
暴走しても迷走はしていない印象。
ちなみに基本的なストーリーは都築巧を巡る芹沢文乃、霧谷希、梅ノ森千世の女子3人の
ラヴコメディだが、個人的にはパティスリー「ストレイキャッツ」を舞台に、血縁関係の
ない者同士が、新たな家族関係を築いていくホームドラマの印象が強かった。
非日常的光景の大半は、梅ノ森千世が金の力に物を言わせて作り出したものが多い。
宇宙人、超能力者、幽霊などがいなくても、金持ちキャラがいるだけで非日常的に
なっちゃうんだなあ。財力というのも立派な特殊能力なのだと、改めて思った次第。
まあ、アニメの金持ちキャラはえてして、現実にはありえない財力を持った者が多いが。
ドタバタギャグが多いせいか、作品自体が動的な印象が強い。そのせいか作品自体の
躁的な雰囲気に飲み込まれて、静的なキャラは割を食った印象がある。
霧谷希はそれなり印象的だったが、設定的位置付けからするとメインヒロインにあたる
キャラで、もっと中心的位置にいてもおかしくないはず。それが動的キャラの芹沢文乃と
梅ノ森千世のやり合いの緩衝材的存在になってしまった感がある。
他にも竹馬園夏帆、幸谷大吾郎などの静的キャラは出番の割には影が薄かった。
この作品、一話ごとに監督が違うため、話によってかなり趣きが異なる。
このやり方はストーリー展開中心の作品であったら、ちょっときつかったはず。
ドタバタギャグ中心にすることで、監督を変える案が出てきたのか、監督を変えることに
なっていたためにドタバタギャグ中心にせざるを得なかったのかは判らないけど。