「君を愛したひとりの僕へ(アニメ映画)」

総合得点
66.8
感想・評価
37
棚に入れた
155
ランキング
2720
★★★★☆ 3.3 (37)
物語
3.4
作画
3.5
声優
3.0
音楽
3.3
キャラ
3.4

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あと さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

悲哀のヒロインと切ない人生の終わり

 「僕愛」を見たあとに視聴。これを見ただけだと並行世界についてやパラレルシフトの性質、和音との関係性などが全然わかんないような気もしますね。こちらの作品はどちらかというと人生を送るラブロマンスだった「僕愛」と比べて近未来青春SFラブロマンスとしては使い古されたようなテーマで幼馴染として愛を育み悲恋の別れをし脳死した美少女を近未来の科学を使って生き返らせる、というギャルゲーにもよくある設定ではあり、並行世界設定をどう活かすのかと思えばほとんどダイジェスト進行で、正直視聴は義務感といった感じでそこまで楽しくはないような感じ。「僕愛」の終盤で明かされる秘密への伏線など見どころはあるのですが、それ以降はかなりテンポも悪く、まあキャラデザも特徴がないような感じであんまり惹かれなかったですね。というか交差点の幽霊である栞ちゃん自体がどこにでもいるような厚薄そうな黒髪ロングの美少女で、キャラデザも見てそう深堀りもされていないので、年を経た本編後半はロリコンみたいになるのもちょっと引いちゃう部分ではあった。それに加えて、後半の「僕愛」ダイジェスト版が「君愛」ダイジェスト版に比べてかなり長くて退屈だった。まとめ方としてはまあいいんだけどその世界の説明まで詳細にする必要はこちらの作品で必要だったのだろうか。最後の悲恋の部分をよりフォーカスするべきだったのでは…。
 とはいえ、描かれるラブロマンスはテンプレらしく感動的なものであり、ひとりの人生をかけた壮大で狂気的な「愛」の話でもあったし、伏線が回収されてグッと来るところがあった。そこに至るまでがかなり難解な流れなのは置いといて。個人的には主人公暦に対して献身的なまでに支える和音が印象的。どう並行世界を辿っても和音と暦は結びつかれる運命なんだろうな。そしてその結末が幸せであれ不幸であれ、彼が選んだ世界は…。ということで、まあ手放しに褒められるような内容でもないが、青春近未来SF作品としては十分2時間色々考えさせられ面白い出来だったように思う。どちらも視聴すると4時間。視聴後には最初からずっと暦を想い続け、命を懸けた和音さんのことを考えてほしいものである。

投稿 : 2024/10/28
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